Friggのことと、カウスティネンのこと

 メモです。

 ちょっと前に気づいたんですが、Friggの春の北米ツアーがすごく長くて驚き。今まででも最長で1ヶ月だったけど、今回は約2ヶ月くらいずっと北米を回るみたいですね。どれくらい長いかはここをクリック
 ツアー日程にも書かれてたけど、Prairie Home Companionというラジオ番組に出演するらしい。たぶん音源をオンラインで聞くことができるかも。そう言われたんだけど、聴けるのかなあ、どうかなあ。

 カウスティネン・フォーク・ミュージック・フェスティヴァルのサイトが、かっこよくリニューアル! ココ。これ、英語サイトはどこにあるの?
 出演アーティストの詳細がアップされ始めてるようで、ドキドキしながらチェック。ナイト・カドリーユの日程をバッチリ確認。JPPの出演はこれだけなのかな? ざっと見たところ、Friggの名前もないし、今後も要チェックだわ。
 それから……もしかしたら復活はないかも、と思われてたPinnin pojatのライヴ、きてる!! マジですか! これは行きたい、見たい、聴きたい!

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その7

14日 晴れ。晴れは晴れでも昨夜からかなり涼しい。

 Hansが今朝早くカウスティネンを離れてしまうのは本人から聞いていたので、見送りに絶対起きよう!と心に決めたのは、昨日の朝。しかもちょっと驚いたのが、Timo Myllykangasが車でピックアップにやってくるという。
 目が覚めたのは、Timoの声が部屋の外で聞こえたとき。時計を見ると、Hansが言っていた時間より5分ばかり過ぎている。超特急で着替え、髪の毛をひっつめ、部屋を飛び出したら、ちょうどTimoが運転席に乗り込んだところ。裸足で車に駆け寄るとHansがわざわざ降りてきてくれてハグ。二言三言話をして、Hansは再び車へ、わたしは玄関へ。車を見送ろうと手を振ると、中に乗っていたほかの人たちも手を振り返してくる。そこで気づいた、Einar-Olavも車の中にいたことに……! そっか、Einar-Olavも今日カウスティネンを離れちゃうんだと思うと、昨日のライヴを思い出して少し寂しい。
 車が出て行くのを見送ったあと、ホストファーザーのMAに「今日は10時からのプログラムを聴きにいきたいから、朝食を少し早めにしてもらってもいい?」と尋ね、OKをもらう。朝食の時間までまだ時間がだいぶあるので、再び睡眠。

 いつもより30分早く朝食を食べ、出かける支度をしようと部屋へ戻ると、ここ2~3日で習慣化されたかのように、下から2番目の女の子Lと一番下のやんちゃ坊主Rが部屋をノックする。招き入れると、うれしそうな顔をするので、拒むことなんか絶対できない。まだ少し時間があるので、まあいいかと遊んでいたら、もう出かけなくてはいけない時間がとっくに過ぎてることに気づき、大慌てで支度、飛び出すようにお家を出発。結局10時から始まるプログラムに、10分ほど送れて到着。目的は、Soittosaliで行われるJärvelän pelimannit ja Pikku-Aapit。JPPはJärvelän pikkupelimannit。フィンランド語で「小さな」を意味するpikkuが入るわけだけど、ここには入ってない。ということは、もしかして、Järveläさん大集合なのでは?と思い行ってみたらビンゴ。ステージにはMaunoを始め、Arto、Alina、Esko、Artoパパなどなど見知った顔がずらりと並んでいる。朝早いからそんなにお客さんもいないだろうと思いきや、会場は80ほど用意された椅子はいっぱいで、立ち見も出てる。やっぱり人気なんだな。演奏された曲は、おそらくカウスティネンの伝統音楽。朝から楽しい音楽を聴けて幸せ。

 11時に終わり、この時間帯はとくにコンサートもやってないことから、お家へ戻る。再びLとRと一緒に遊び、しばし二人とコミュニケーションを取る。
 それにしても、子どもってどこの国も同じなんだな。まだあまりたくさんの言葉をしゃべることができないRが一生懸命何かを言っているのでよーく聴くと、自分の名前をフルネームで言っていることが判明。それが舌足らずで、日本人の子どもも日本語覚えたての最初のころはこんなしゃべり方するよなーと思うと、なんだかおもしろい。
 Rがムーミンハウスを出してきたので、それを使って一緒に遊び、ムーミンの絵本も見せてもらう。そして、さらにムーミンのオリジナルソングが収録されたCDも聴かせてもらう。2~3曲聴くとフォークミュージックが流れてきたので「あれ?」と思っていたら、ホストマザーのMO曰く「Maunoが参加して、フォークミュージックを演奏してるの」。ええー! なんだってー!! たしかにクレジット見ると、Maunoの名前が。ムーミンのCDで演奏しているMauno。し、知らなかった……。これは買わねば。

 去年自転車で近辺を散策したように、今年もできたらいいなーと思い、本当にわがままばかりで申し訳ないと思いつつ、MAに自転車を貸してほしいと伝える。
 すると、長男のPが隣に住むおばあちゃんの自転車を持ってきてくれて、MAがわたしでも運転できるよう、サドルを目いっぱい下げてくれる。家にいたみんなが玄関付近でワイワイやってるのを、家族が出かけるのだと思ったのか、一番下のRが洋服を着替え、ニコニコしながら帽子をかぶり、靴を履こうとしている。そんなRにHei hei!と声をかけ、自転車に乗って出発。ごめんね、R。
 去年と同じコースを取るつもりが、看板を見落としてしまい、カウスティネンの村境まで来てしまう。隣の村の名前が見え、そのまま通り過ぎようとしたとき目に入ったのが、カンテレのイラスト。村のシンボルなのか。隣の村に入って振り返ると、カウスティネンの看板が出ている。同じようによく見かける村のシンボルと一緒に村の名前がある。ちなみにカウスティネンはフィドル。
 気を取り直して、去年と同じ路をたどり、橋を渡ってMaunoの学校へ。しばし休憩したあと、T字路へ出る。あまり時間もなかったので、そのままカウスティネンの中心地へ向かうことに。その途中で見つけたのが、この道路の名前。知らない間にJärveläntieという路を通っていたらしい。

 そのまま走りに走って、フェスティヴァル会場に到着してみると、アリーナでTony O'Cnnell & Mandy Morrowというアイリッシュの二人組みによるライヴが始まっていた。いろんな国の音楽がこうやって聴けるのは、違いを比べることができたりして、本当に楽しい。
 先日会場でお会いしたKさんがイチオシのバンド、Kiharakolmio(キハラコルミオ)のライヴをPelimannitaloで聴く。Kさんが絶賛していただけあり、とてもすばらしい! まだまだ知らない、良いバンドがたくさんあるのだと改めて思う。Kiharakolmioは、ハーモニウム、アコーディオン、ベース、ギターの4人組。個人的には北欧伝統音楽にはまったのが弦楽器がきっかけだったこともあり、フィドルが入っているバンドを主に聴きつづけてきたけど、Kiharakolmioは、自分的に新しい発見。音楽はグルーヴがわかりやすくてノリやすいし、聴いていて楽しい音楽。また生演奏を聴きたい。

 Kiharakolmioのコンサートのあとは、いつものように適当に会場をブラブラする。ただ、この日は他の日と違って、えらく寒かった。涼しい、ではない。「寒い」。確か今は夏だったはず……ということは、カウスティネンでは通用しない。昼間は晴れて日差しも結構強いので暑いが、日陰に入ったり風が吹いたりすると、結構涼しくて、日本なんかにいるより遥かに快適。でも、それは昼間だけ。夜になると急激に気温が下がり、半そでではいられないほど(それなのに、どうしてフィンランド人たちは半そでとかノースリとか、キャミ、裸足にサンダルというような、典型的な夏の格好でいられるのか、本当に不思議)。キャミの上に羽織っていたカーディガンの上に、持っていた厚手の綿でできた長袖シャツを着て、それでもまだ寒いので、トレーナー地のパーカーを着る。それでもまだ寒いので、首にスカーフのようなものを巻く。気持ちは晩秋。

 これで寒さはしのげても、まだ涼しいと感じてしまうくらい。日本の夏ならウェルカムな気候なのに。顔をスカーフで半分隠しながら会場内を歩いていたら、聴き覚えのある音、音楽が聴こえてきたので、ふらふらっとそちらへいってみると、一昨日昨日と変わって、今日は同じSoittosali前でAmpron Prunniが演奏しているではないか!! 吸い寄せられるように近づき、しばらく演奏を聴いていた。少なかったギャラリーはいつの間にか増え、周りを取り囲むようになっている。その中で一人、演奏が終わるとArtoの前に駆け寄ってはしゃぎながら拍手をする女の子が。見た目と雰囲気から察するに、Artoの娘であることは間違いない。JPPのドキュメンタリーに出てたあの子なんだろう。大きくなったね……。

 寒さからくる震えに耐えて音楽を聴いていたものの、30分もすると、我慢ができなくなってきてしまう。それでもしばらくは聴いていたけど、それも限界となり、結局Ampron Prunniの演奏中にその場を離れてしまうことに(もう、本当に寒くて寒くて……)。聴きたかったコンサートは他にもあったのに、今日はこれで会場を離れる。

 家に帰ってシャワーをあび、部屋へ戻ろうとしたら、リビングにいたホストファーザーとマザーに呼び止められる。「日本を紹介する番組やってるわよ!」というので、興味津々で画面を覗くと、鎌倉の大仏さまが映っている。おもしろそうなので一緒に見ることに。これは「旭日の暁」という日本語タイトルがちゃんとついている、フィンランドの国営放送YLEが放送する日本を紹介する番組(フィン語タイトル:Nousevan auringon kajo)。わたしが見たのは、全9回あるうちの第6回目放送のようだ。サイトに写真があった。鎌倉の大仏と、東京都水道局。そのほか見たのは、京都の町並み、原宿、(たぶん)代々木公園、(たぶん)某有名楽器店、お台場のヴィーナスフォート。
 びっくりしたこと。それは、スターバックスなどではおなじみの、テイクアウトの際、カップが熱くないように付けてくれる段ボール紙でできたアレ、あるじゃないですか。あれはジャパニーズ・デザインなのだと紹介されていたんだけど、それ、本当なの? 「うーん……そうなんだっけ? えーっと、そのものの名前も知らないのに、何て答えていいやら……」と一人迷宮に入ったような気分に。
 見終えたあとは、ただ番組を見ていただけなのに、ぐったりと脱力。「外国で日本を紹介する番組を見るって、すごく不思議な気分だよ……」というと、MAもMOも笑っていた。

 いやはや、しかし。まさかフィンランドで日本を紹介する番組を見ることになろうとは。どんな番組なのか、さわりだけでも見てみたいという人は、「旭日の暁」サイトの上にあるVideotをクリック。RealPlayerで30秒から3分弱程度の映像が見られます。神奈川県が誇る参議院議員の元フィンランド人(すでに日本に帰化してるから)ツルネン・マルテイさんもこの番組に出演。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その6(つづき)

 ここまでは、わりと間の時間ほとんどなく午後から音楽ぶっ続けで聴いていた感じ。Tandemのコンサートが終了したのが21時ちょっと前。22時30分からFriggのコンサート。時間が空いたので、適当にブラブラしながら、ここ数日でぼろぼろになったプログラムを眺めていると、Klubiで元JPPのベーシスト、Timo Myllykangasがライヴをやるようだったので、聞いていた評判は本当なのか確かめに行くことに。
 その評判の前にひとつ。Timoは2004年(だったかな?)以降、JPPを去り、Trokaを去り、ほかにも参加していたバンドを去り、そのあとにソロCDを1枚リリースしたものの、楽器を一切やらなくなったらしい。去年、YökatrilliでAntti Järveläの代わりにベースを演奏したのは、きっとなんか特別な事情があったのかもしれない。それ以外ではまったく楽器を演奏しなくなったのだとか。詳しいことはよく知らないけど、たしかMyllykangas家も楽器を演奏する一族としてけっこう有名なはず。それなのに、Timoは楽器をやめてしまって、いったい何を?と疑問に思っていたら、どうやら彼は歌を歌うことにしたらしい。バンドの音楽はトラッドをベースにはしているものの、Snekka以上にロックしている。聞いていたTimoの評判とは彼の歌についてで、知り合いは「バンドの音楽はいいんだけど、Timoが歌っている歌詞はクレイジー」と評していた。クレイジーな内容って、どんなんだか興味がわくゾ。とにかくすごくへんてこりんな歌詞らしい。えー、と。歌唱力? ねっとりとまとわりつくような歌い方、とだけ言うことにする。

 少し蒸し暑さを感じるKlubiを一度出て、近辺をウロウロ。夜になると冷えてくるし、Klubiの周りは林なので、空気がとても澄んでいる感じ。この中で呼吸をしていると頭の中がすっきりする。22時前にKlubiに戻ると、去年と同じ場所にAntti Järveläの車があるのを発見(Anttiがそばに立っていたからわかっただけ)。友達らしき男の子たちと話をしていたので、話しかけることはせずにそのままKlubi内へ入る。Timoのライヴはまだ終わってない。入り口横にあったテーブルに座り、音楽を聴くとはなしにボーっとしていたら、入り口からTimo Alakotilaが入ってきて、わたしに気づいてくれて少しだけ話をする。Timoはそのままアルコールが飲めるエリアへ入っていき、わたしはまたしばらく同じ場所でぼけっとしていた。Myllikangasのライヴが終わり、Friggのライヴのために席を取る。一番前ゲット。障害物なくステージを見ることができるっていうのはすばらしい。腕を大きく上に伸ばしてカメラを構えなくてもいいのもすばらしい!
 しばらく待ったあと、Friggのコンサートが始まる。実は気になっていたのが、Tsuumi sound systemでも演奏していたTommi Asplundは、Friggの正式なメンバーなのかどうか。Tommiは、去年Friggのコンサートでフィドルメンバーのセンターに立って演奏していた。アメリカでFriggを見たときはTommiはいなかったし、カウスティネンへ行く前にAnttiからゲストと一緒に演奏する話を聞いていたので、てっきりTommiがそうなのだと思っていた。しかも、今回は22時からアリーナでTsuumiのライヴが重なっていたので、やっぱりTommiは正式なメンバーじゃないのかも、と納得していたのに、Friggのライヴが始まる直前にTommiが現れ、急いで駆けつけてステージに上がったところを見ると、正式なメンバーになったのかも、と思わずにはいられない。Tommiだけじゃない。ステージには見たことがないメンバー(中には見たことがあるメンバーも)がいる。しかも、人が増えてるし。アメリカで見たときは7人だったのに、今回は10人もいるし……。何がどうなってるのやらさっぱり。Larsen兄弟の弟、Germundがいないしますます混乱。
 いやいや、そんなことはおいといて。まずはセットリストを。最後の方は新曲も多く、タイトルがわからないものばかり。

■Frigg, Klubi, Kaustinen folk music festival, 13.07.2006
Cross-country
Meltaus
Solberg
Toulpagorni
Halling
Keidas
Jokijenkka
Paavid ja Minä
Särö
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Economy class
Fantomen
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Mäenpään Heikin Valssi

 結果的に2004年から毎年Friggのライヴを見ていることになるけど、彼らの成長振りは目を見張る。初めて見たときは、やっていることのユニークさや演奏のうまさはあるものの、ベテランに囲まれていたからか、まだまだ若いなという印象だったのに、去年カウスティネンでライヴでは音楽や彼らの技術に磨きがかかっていて、すごくいいバンドになったなと思ったもんだけど、今年はそれ以上の驚きが。音楽がなった瞬間、違うバンドを聴いているのかと思ったくらい、音楽がよく練られているし、人数が増えてギターやパーカッションが加わったからか、音は厚みを持っているので、急速にバンドが成長しているのを感じる。若いってすばらしい。スピード感たっぷりに始まったライヴはそのままに、あっという間に1時間経ちライヴが終了。まるで夢でも見ているかのような気分でKlubiを出る。

 Anttiと話ができないか、出てくるのを少し待ってみたけど、アリーナでカドリーユが始まってしまうので、後ろ髪ひかれる思いでアリーナへ。まだ演奏は始まっていなかったし、きっと演奏のために現れるだろうと思ったので、ダンスに参加する人たちがアリーナに集合しているのを眺める。
 しばらくしてJPPが紹介されてステージに登場。……あれ? Anttiがいない。別人がベースの前に立って、楽器を構えている。その人はMaunoの長女のだんななんだとか。結局、最後までAnttiがステージに現れることはなく、今年はAnttiに会えずじまい……。泣きたい。
 Yökatrilliが始まり、ミニアルバムのHuutokatrilli!の曲が演奏されるのを聴いていると、やっぱり少し踊りたくなる。それにしても、大勢の人が踊っているところを見るは圧巻。JPPも演奏しながらニコニコしていて、全然気負ってないところがいい。去年まではYökatrilliのステージで演奏していたTimo Myllykangas、ステージでは超カッコいいアコーディオンの演奏を聴かせてくれたHannu Kella、ほかにもミュージシャンとして参加していた人たちがフロアでダンスに興じている。ああ、なんか集大成。やがてHuutokatrilli!のが終わると、JPPはワルツを演奏。去年はこれで終わりだったのに、今年は2曲タンゴが演奏される。もうそれだけで満足。タンゴ、いい!

 時間はすでに1時30分を越している。フロアではMaunoとその子どもたちなのか生徒たちなのか若者たちとの演奏がまだ続いている。その音楽をしばらく聴いて会場を離れる。
 今日は本当に長い長い、そしてすごくたのしい一日だったのはいうまでもなく。Anttiに会えなかったのが本当に残念すぎ。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その6

13日 晴れ。きれいな空。いい天気。

 今朝は昨日とは違って、晴れの天気。雨が降ったせいか、なんだか空気がきれいになったような感じがする。少し涼しいけど、昼間はこれくらいでちょうどいいかも。
 朝食の時間、ちょうどHansがわたしの前に座っていたので、食事をしながらおしゃべり。Hansは熱心に話を聞いてくれて、そして答えをくれる。内容はすごく基本的なスウェーデンの伝統音楽についての話から、スウェーデンのポピュラーミュージックがなぜ世界中のマーケットで受け入れられているのか、みたいな話まで。とにかくNordik Treeの演奏を聴いて、Göteborg出身のHansが作る音楽と、Uppsala出身のVäsenが作る音楽とではまるで違っていたので、同じスウェーデンの中でも西と東では音楽が全然違うのに驚いたと話をすると、「外から見れば、言葉もダンスも音楽も同じように見えるかもしれないけど、スウェーデン人にしてみれば、まったく違うもので、その地域によって特徴が出てるんだ」という答えが返ってくる。これは日本でもままあることなので、確かにそうなんだろうな、と納得。
 しかし、Hansと話をして、自分がスウェーデンの伝統音楽といえば、聴いているのはほとんどがウップランド地方のものだということに気づく。HansはBäskのメンバーでもあるので、そちらのCDも聴いてみようっと。ちなみに、本人に「Gunnel Mauritzsonのバックバンドをやってるから、Rogerとはよく連絡取り合ってるよ」と言われて、Gunnelのバンドでフィドルとヴィオラ弾いてるのはHansだったのか!と知る……。おバカ。

 今日13日から最終日の15日まで、27th EBU Folk Festivalが始まる。これは毎回場所を変えて行われているものらしく、カウスティネンは1982年にEBU Folk Festivalが行われて以来、24年ぶり2回目だそうだ。フェスティヴァルエリア付近には、フィンランドのラジオ局YLEの車が去年よりもたくさん停まっている(ような気がする)。
 どこの国からどんなアーティストが出演していたのかは、下記にEBUサイト内とYLEサイト内にあるフェスティヴァル情報のリンクを。
27th EBU Folk Festival(英語)
YLE Radio 1(フィンランド語)

 そして、今日はKaustinen dayと銘打っていて、アリーナでは11日に見たNäppäritと9日に見たFritti ja Lauriもあるし、Tsuumi sound systemのライヴがCafe Mondoであるし、KlubiではFriggのライヴ、真夜中にはJPPの生演奏にあわせてフォークダンスを踊るYökatrilliもある。それだけで朝からウキウキ。
 オープニングセレモニーがアリーナで行われ、どんなことが行われるのかフィンランド語のほか英語でも説明があったのがありがたい。これから15日までは各国のフォークミュージシャンたちが、フェスティヴァルエリアのいたるところでコンサートをするので、いろんな音楽が聴けるのかと思うとすごくうれしい。
 14時からアリーナで行われるNäppäritを聴く。続けて、去年もカウスティネンに来ていた、コントラバス・バラライカ(っていう名前なのか知らないけど、すごく大きなバラライカってこと)が印象的だったMoscow Balalaika Quartetを少しだけ聴いてSoittosaliに移動。15時からここでArtoの別バンド、Ampron Prunniのコンサートがあり、このバンドはArto曰く、シンプルなフォークミュージックを演奏するバンド、なのだとか。Artoが演奏するとは知っていたけど、初めて見ました聴きました、Artoがニッケルハルパを演奏するのを……! 実際にこの目でみると、なんだかとても不思議な気持ち。編成はハーモニウム、フィドル、ニッケルハルパ、マンドリン、ユオヒッコなどなど。メンバーはArto Järvelä、Risto Hotakainen、Timo Valo。かわいらしい曲が多くて、聴いてて自然に顔がニコニコしてしまう(にやにや、ではない)。踊れないけど、踊りたくなるような音楽で幸せ。
 急いでLukion saliに移動して、Erika Lindgren & Cecilia Österholmのコンサートを聴く。彼女たちはフィドルとニッケルハルパのデュオで、二人ともウップランド出身(Erikaはウプサラ)。コンサートでは主に伝統音楽を演奏。それを聴いて、やっぱりスウェーデンの伝統音楽の肝はメロディだと実感。彼女たちの演奏もすごくよくって大満足。

 18時からCafe MondoでTsuumi sound systemのライヴがあるので、いい席で見るために早めに移動。ステージが正面に見える前のほうの席を確保。昨日のKaustinen-saliでのコンサートにはいなかったEsko Järveläが、ヴィオラでステージに乗ってるのがうれしい。
 ライヴが始まると、やっぱり鳥肌。音楽がダイナミックで、ぐいぐいと引き込まれる。Polkka efter Aを聴いてあまりのかっこよさにポーッとなってしまい、Virtaa(Flow)を聴いたあとには、完全にメロメロ。それにしてもアコーディオンのHannu Kellaはすごくうまい。情感たっぷりな演奏が本当にすばらしい。そしてTommi。ピアノ伴奏によるTommiのフィドルソロは、しっとりとした曲(記憶違いじゃなければ、たぶんKäytävä)で、じっくりとTommiのフィドルを堪能。弓が弦の上を緩急自在に動き回り、音もなめらかで柔らかく、耳に心地よくて心ひかれる。Tommiはめちゃくちゃうまいフィドラーなのだと確信。
 それにしても、Tsuumi sound systemはめちゃくちゃうまい若手をこれだけよく揃えられたもんだ。ライヴを見ることができて幸せ。また絶対見たい。

 Fritti ja Lauriを見るために、アリーナへ移動。先日見たときは、人がめちゃくちゃいっぱいいる、という感じがしなかったけど(もちろん、それでもすごく多かった)、今日は満杯。あふれてるし。大盛況な感じ。フィンランド語が少しでもわかれば、内容がもう少し理解できて楽しめるのになーと思いながら、やっぱりカンレテ奏者のところで全員が起立して歌を歌うことになったので、歌詞はもちろんわからないままなので、メロディを口ずさんでみる。歌いたい。
 チェコのバンド、Tandemについて何も知らないけど聴いてみたいと思っていたので、Lukion saliに移動。アリーナに人が集まっているせいか、人が少なめなように感じたのは気のせいか。彼らはモラヴィア地方出身の笛とフィドルの男女デュオで、北欧の音楽ばかりを聴いているので、すごくめずらしい音楽を聴いたような気分になる。聴いたことがあるようなチェコの音楽ではなかったので、チェコ国内でもやっぱり地域によって音楽がぜんぜん違うみたい。どこの国も同じだ。


長くなりすぎた。
つづく。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その5

12日 朝から雨。夕方ごろ晴れる。かなり肌寒い。

 8時ごろからバケツをひっくり返したような大雨が降りはじめ、このすごい音で目が覚める。
 朝食時には雨もやみつつあったので、少し安心。テーブルにつくと、あとからHansもやってきて、一緒にご飯を食べる。ほかにフィンランド人のご夫婦も一緒。ひとつのテーブルで、フィンランド語、スウェーデン語、英語、日本語が飛び交う。
 結局出かけるときまで雨はやまないまま。MAに日本でいう100円ショップで購入したような使い捨て雨合羽をもらい、それをかぶってフェスティヴァル・エリアへ。アリーナで行われていたMaailma Tanssii ja Soiという演目を見る。そのあと13時30分ごろにNordik TreeのコンサートがあるLukion saliへ移動。ロビーには結構な人がすでに会場を待っている。でも、今日は前の方に座れそうな予感。
 会場はやはり10分くらい前。前から3列目の席をゲット。Nordik Treeは、フィンランド人のArto Järvelä、Timo Alakotila、スウェーデン人のHans Kennemarkのトリオ。80年代にKaustinenのフェスティヴァルで出会って以来、セッションを楽しんだりしていたよう。そして、少し前にはスウェーデンでライヴをやったりしていたらしい。CDを作ってほしいという要望が強くなって作ったアルバムが、Nordik Tree。フィンランドやスウェーデンの伝統音楽が好きならば、このアルバムはぜひ聴くべき。
 では、セットリスト。

■Nordik Tree, Lukion Sali, Kaustinen folk music festival, 12.07.2006
Ornunga
Inka
Islossning
Hotschott
Könsti ton
All den Kärlek
Poppis
Jeppo & Övermark
Triple polonaise
Lyckönskan

 もうすでに彼らのアルバムを持ってる人は気づいた? このセットリスト、CDに収録されている曲順とまったく一緒。
 Nordik Treeの音楽は、トラッドのようでもあるし、ジャズのようでもあるし、クラシックのようでもある。古い音楽のようでもあるし、新しい音楽のようでもある。改めて、今まで聴いたことがなかった音楽だと思う。その肝となるのはやっぱりTimoのハーモニウム。絶妙なコード進行に詠嘆。

 ライヴ終了後、Artoと少しだけ話をし、次にライヴを控えているMaria Karaniemiがリハのためにホールに入っていくのを偶然見届けてから、KansansoitinmuseoへHyperboreaのライヴを聴きにいく。Ristiäislauluという曲がすごくよくてすっかりメロディを覚えてしまっていたので、これで歌詞がわかれば一緒に歌ったかも。メロディが凝っているわけでもないのに、本当にすてきな曲。
 再びアリーナ。会場横にあるKaustinen musiikkilukioが今年創立30周年の記念の年だったらしく、現在通っている学生たちによるコンサートが開かれていた。この学校ではMauno Järveläも教鞭をとっているらしく(学校に張ってあったポスターを見たとき、講師陣にMaunoの名前を発見)、学生と一緒にステージにあがり演奏をしているのを見る。
 またまたLukion saliへ戻り、今度はMaria Karaniemiのライヴを聴く。彼女の演奏で一番好きなのは、Timoと組んだときだな。saliを離れたとき、偶然Timoと会い、Nordik Treeの感想を伝える。話の流れから、彼がオペラを書き上げていることを知る。初演は8月だとか。ほかにも依頼されている仕事がたまっているようで、「これからちょうど(手に持っている)この楽譜をコピーしに行くところだったんだよ」というので、話を早めに切り上げて別れる。
 Cafe MondoにてJordのライヴを見る前、昨年同じお家にお世話になっていた男性と偶然会場で会い、「ヴァイオリンの天才少年の演奏を聴くことができるよ」と話を聴いていたので、Jordを聴きつつ、その奥(というか隣)にあるViinitupaでその少年の演奏を聴く。隣に座ったおじさんがフィンランド語でのMCを英語にわざわざ訳して(といっても、超大雑把に)教えてくれて、「まだ10歳だよ? すごいよな」「確かにすごいですよね」と会話をしながら演奏を楽しむ。とはいえ、まだまだ子ども。でも演奏はかなり立派。彼の演奏にフィンランド人はスタンディングオベーションで絶賛したそう。

 21時から始まるTsuumiのコンサートのために、Kaustinen-saliへ移動。すると長蛇の列。いい席に座れる可能性は低い。このKaustinen-saliでのコンサートは別途チケットを購入していなければならないんだけど、座席が指定されているわけではないので、結局は早い者勝ちの自由席。
 いざ中へ入ってみると、想像していたよりも大きなホールだったのに驚く。そして、余裕でちょうどいい場所に座る。昨日も思ったけど、村民が4500人ほどの村なのに、こんなに立派なホールがあり、それがちゃんと維持できているという事実に心底驚く。
 Tsuumiは1998年に結成された、ダンスチームと音楽チームから成るユニットで、ダンスチームは男女4人ずつ、音楽チームはTsuumi sound systemとして独立して活動もしている。最近ではMaunoがTsuumiの音楽にかかわっているようで、今日もしょっぱなはJärveläさんたちによる典型的なカウスティネンのトラッドの演奏にあわせて、まずTsuumiの女性陣、入れ替わって男性陣がダンス。いわゆる伝統的なダンスチューンばかりが演奏されているのに、踊りがカップルダンスではないというのがおもしろい。
 ステージ後方にスタンバイしていたTsuumi sound systemのメンバーによる演奏が始まると、全身鳥肌。なにこれ。CDで知っているTsuumiの音楽とぜんぜん違う。はるかにライヴ演奏がいい。思っていた以上にアンサンブルが緻密で、音楽がものすごく濃い。正直言って、ダンスよりもバンドばかりに目がいってしまい、ダンスどころじゃなくなってしまう。そして何より、人物が判断できないくらいの暗がりの中でも、それとわかるほどめちゃくちゃきれいな金髪が目立つフィドルのTommi Asplund、彼の演奏技術は相当高く、気づくとTommiばかりを見てしまい、彼が奏でる音を耳で追ってしまう。
 Tsuumiは(CDで知ってたけど)すごくかっこよく、ステージ栄えするバンドなのだと、強く思う。明日のTsuumi sound systemとしてのライヴは絶対絶対聴かなければ。

 昨日と同じSoittosali前にてNordik Treeの公開リハーサルが行われるのを知り移動。一日に二回もライヴを聴くことができて幸せ。結局2時間近く演奏を聴く。この2日間で6時間近くもNordik Treeの音楽を聴いたことになるのか。そりゃ贅沢以外のなにものでもない。
 24時からGjallarhornのライヴがあるので、Klubiに移動。低音部がディジェリドゥからコントラバスフルートに代わり、バンドの雰囲気も変わったような印象。コントラバスフルートの音も、ひどくバンドになじんでいる。もちろんコントラバスフルートは先日来日していたGöran Måsonで、日本で見たGöranとはかなり違う。なかなかかっこいい。
 会場を見渡してみると、Hansもいるし、Timoもいるし、Maria Karaniemiもいる。なんだか同じ場所にこんなにもミュージシャンがいるっていうのが、なんだか不思議な気分。
 家までの帰り道、Nordik Tree半分、Tsuumi半分が頭を占領。眠さと、それ以上の肌寒さもあってかひどく頭が冴えている。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その4

11日 空の青が見える快晴。でも少しだけ涼しい。

 バタバタと人がやってきた音で、目が覚めた朝。どうやら新しい宿泊者が到着したらしく、このお家でのルールをいろいろと説明しているようだった。
 朝食の時間になりテーブルにつくと、MOがMAとなにやら話をしている。「さっき来た人、Nordik Treeのメンバーなんじゃないかと思って」というので、「わたしCD持ってる!」と先日買ったCDを見せると、それを見たMAとMOが興奮したように「この人、この人!」と、Hans Kennemarkを指して言うので、こちらまで大興奮! ミュージシャンは会場近くに泊まるもんだとばかり思っていたので、まさかこのお家でミュージシャンと一緒になるとは! 姿は見えないけど、自分の部屋の下にいるのかと思うと、何だか不思議な気持ち。
 朝食後部屋でのんびりしていたら、ちょうど出かけるHansと玄関で会い、お互いの自己紹介。「明日のコンサート、見に行きます」というと、すてきな笑顔で「ありがとう!」と言い、Hansはフェスティヴァルエリアへと出かけていった。

Napparipelimannit 今日はFamily Dayと銘打っているだけあって、エリア内は右を見ても左を見ても家族連ればかり。プログラムも子ども向け・家族向けのものが多い。
 その筆頭が、Mauno率いるNäppäripelimannit。Maunoが学校で教えている子どもたちが総勢100人アリーナのステージ、フロアに並び、みんなで合奏、合唱をするという、(たしか)恒例のプログラム。下はおそらく3歳くらいから、上は30代までの生徒たちが集合。落ち着きなくフロアをウロウロしている子どももいるというのに、だれも注意しないところがのんきでいい。
Mauno Jarvela Maunoによる統率、何人かの大人たちによる子どもたちへのフォローもよく、カウスティネンでの音楽教育というものにますます興味が湧く。そして、フロアやステージにいる子どもたちは一人前の演奏者らしい楽器の構え方、そして達者に演奏をするもんだから、拍手喝采を浴びて満足そう。こういうのに小さなころから参加できたら楽しいだろうなあ。同じくアリーナでOttostenの演奏でフォークダンスがはじまったので、Lが踊っているところを探しては写真を撮る。小さな子どもたちによるダンスは始終かわいく、みんな絵本の中から飛び出したみたい。

 会場近くにあるスーパーで買い物。スーパー駐車場すぐ横で馬が飼われているのが何ともアンバランスでいい。そのあといつも使うのとは反対にある入り口からはいり、すぐ横のテントの中に入る。ここは本当のテントで、ステージを囲むように出店がいくつか出ているところで、ステージでちょうどアコーディオン4台とフィドル、ギター、ベースのバンドが演奏をしていたので、それを聴きつつ売られているものを一通り見て、テントを出る。Juhlapihaに行くと、小さなステージで先日アリーナで見たWongawilli Bush Bandの演奏にあわせて、ダンスをしている人たちがいたので眺める。そこの裏手にある小さなテントでも、何か演奏しているような音が聴こえてきたので移動。Jarvela familyすると、Artoのお父さんを初めとする何人かのJärveläさんたちがカウスティネンのトラッドを演奏しているので、しばらく聴き入る。
 会場をぐるりと回っていると、あちこちから音楽が聴こえてくるので、こうやってとくに目的もなくのんびり歩き回るのも楽しい。民族衣装を身にまとった小学生くらいの女の子たちが木の下でフィドルを演奏していたり、ミュージシャンとしてステージに立っていた人たちが友達と楽しくおしゃべりしながら歩いていくのが見えたり、芝生の上に寝転がり昼寝をしているおじさんがいたり、ピクニックのようにシートの上に座り家族で食事をしているのが見えたり。ここだけゆっくりとした時間が流れているよう。

 Cafe Mondoでフランスのブルターニュ地方出身のIanoùが演奏しているのを外からしばらく見て、Lukion saliに移動。いくつかのバンドの演奏を聴いたのち、今度はJordを聴こうとKansansoitinmuseoへ移動。しかしすでに人がたくさんいたので、開いていた扉から背伸びをしたりかがんだりしながら何とかステージに立つ4人を見る。Jordはスウェーデン最北部のTornedalen出身のバンドで、彼らの音楽はいつも聴いているウップランド地方の音楽(まあ、つまり、Väsenなわけだが)とは全然違うので、同じスウェーデンの音楽には聴こえなかったところが興味深い。ただ、メロディの美しさは共通。スウェーデンの伝統音楽っておもしろい。
 Jordのコンサート終了後、となりにあるKansantaiteenkeskus(フォーク・アーツ・センター)にあるFolk Shopへ。一通りCDやグッズを見たあと、98年の古いフェスティヴァルのカタログ(だと思う……)が置いてあるのを見つけたので、もらうことに。ほかにもカウスティネンを紹介するフリーペーパー(Mr. Nordgrenの顔写真入りだった)や、2006年フィンランド国内で行われる音楽のフェスティヴァルが紹介されているフリーペーパーなどが置いてあったので、それらをもらう。そして、せっかくなので明日来る予定であるKaustinen-saliまわりを見学。同じ建物の中にあるので場所はすぐわかる。ホールへ入るための入り口が開いていたので、中をのぞくと、Tsuumiがリハやっている。必要以上に近づくと怒られるのではないかと思い、そのまま退散。明日のコンサートが楽しみ。
 KlubiにてTrad'an'Roll 2006というタイトルで、なんだかおもしろそうなコンサートがあるようだったので、そのままKlubiへ直行。うーん。うーん……。多くは語るまい。どうしても我慢できなくて2組めのバンドがライヴをやっている途中で出る。

Hyperborea 急いでCafe Mondoへ行き、Hyperboreaのライヴを見る。アコーディオンのAntti Paalanenは本当にうまいなあ。感嘆。バンド自体にも勢いがあって、音楽がとても楽しい。Hyperboreaのステージ写真を撮っていたら、知らないおじさんに「もっと前で撮りなよ」と腕を引っ張られて、気づけば客席中央に立つわたし(笑)。開き直って写真を撮る。今後もこのバンドの動向に注目したい。
 アリーナ付近を歩いていると、Nordik Treeがどこかで演奏をするらしい、という情報をゲット。あちらこちらと歩き回っているとSoittosali前でArtoとHans、Timoが演奏しているのを発見。CDを聴くより先にライヴを体験。
Nordik Tree すごくいい。二人のフィンランド人、一人のスウェーデン人というトリオで、楽器はArtoがフィドルとマンドリン、Hansがフィドルとヴィオラ、Timoがハーモニウムという編成。メロディにはスウェーデンぽさ、フィンランドぽさがそれぞれ現れていて、それでいてトラッドという感じでもなく、音楽が繊細でずっと耳を傾けたくなる曲ばかりで、引き込まれてしょうがない。最初は聴いている人はすごく少なかったのに、終わってみるとたくさんの人垣ができているのに気づく。時計は23時30分すぎを指していて、2時間弱も聴いていたようだ。時間が経つのを忘れるほど熱中してしまうとは。終わったあとにArtoとHansと話を少ししてCafe Mondoへ。Ville Ojanenのライヴを見るつもりだったけど、寒かったし、ライヴももうそろそろ終了かという時間だったし、ものすごくたくさんの人がいたため、聴くことはあきらめて今日はもうこれで帰ることに。
 家に帰ってからもNordik Treeの音楽が耳から離れず、頭の中でずっと鳴っている状態。明日のコンサートがすごく楽しみ。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その3

10日 晴れてはいるけど、あやしい雲行き。

Lotta, Lastenteltta お世話になっているお家の娘さんLはダンスを続けていて、今日11時30分からLastentelttaでダンスを踊るというのでそれに間に合うように出かける。相変わらず子どもが民族衣装を着て踊るダンスはかわいい。でもLは少し踊っただけですぐ踊るのをやめてしまったのが残念。
 お昼ごはんを食べ、適当にぶらぶら歩き回ったあと、アリーナでオーストラリアのバンド、Wongawilli Bush Bandと、フィンランド人の二人組みPekka Pentikäinen & Perttu Paappanenのコンサートを見る。
 Wongawilli Bush Bandは、シドニーの南に位置するWongawilli出身で、オーストラリアのフォーク・ソングやダンス音楽を演奏するバンド。彼らの音楽は、カウスティネンで周りから聴こえてくる音楽とは全然違うのに、改めて驚く。そして、最初に目に入ったのが、バウロンを演奏する男の子。調べてみたら9歳。リズム感がすごいし、子どもながらにもテクニックもすばらしい。ただ、やっぱりまだ子どもなだけあって、目をぎゅっとつぶって激しいリズムを叩いていたのを見たとき、まだ筋力があまりないんだな、と思う。そりゃそうだ。でもうまい。
 Pekka PentikäinenとPerttu Paappanenのデュオは、基本的には二人ともアコーディオンを演奏するけど、Perttuはフィドルの持ち替えもする。この二人が演奏する音楽は(おそらく)フィンランドのいわゆる伝統音楽に近いものではないか、と。素朴で単純なメロディを奏でるアコーディオンとフィドルは耳に心地よく、ほんわかとした気持ちにさせられる。

 昨日Cafe Mondoで会った友人が、Kahvila Pelimannin Penkkiで歌うというので、行くと約束していたので移動。彼女が歌う歌もめちゃくちゃ素朴なフォーク・ソングで、聴いていてとても楽しい。伴奏はハーモニウムで、弾いていたのは、去年同じくカウスティネンで知り合ったSだった。久しぶりに見る彼女は全然変わってなくて、フィドルの演奏も聴かせてくれた。そういえば、彼女のフィドルソロを聴くのはこれが初めてだ。
 コンサートの途中、突然の夕立(っていうのかな?)。開け放していた窓から風と雨が吹き込んできて、窓を閉めても雨が激しく地面や屋根を叩きつける音が耳に届く。今日はやけに雲が多いし、ちょっとグレーっぽい色をしていると思っていたけど、あれはやっぱり雨雲だったのか。コンサートが終了するころには、雨も小降りになり、ほとんど止んでしまう。

Vissinki Cafe Mondoで、Vissinkiというバンドのライヴを見る。彼らはいわゆるプロとして活動しているバンドではなく、メンバーは全員別に職業を持っているというアマチュアバンド。でもあなどることなかれ。みんなすごくうまい。ちなみにTimo Alakotilaが、彼らのために曲を提供してたりする。音楽はほのぼのとしていて、落ち着いて聴いていることができる。

 実はこのあとはJPPのライヴが控えていたため、ライヴの途中で会場となるLukion Saliに移動。スタートは19時からで、その30分前に行ったのに、すでにたくさんの人が開場を待っている。出遅れた! もちろん座席指定なんてないし、開場するのはほとんどの場合開始予定時刻の5分前とかだから、席は取り合い。開場したのち座ったのは前から6列目。でも目の前には背の高い男性が座ったからか、座高で前が見えず、人の隙間から見るようなかっこう。なんとか座ることができて落ち着いてから周りを見渡すと、150人も入ればいっぱいのホールは、用意された客席はすべて埋まり、ステージ後ろを除く三方の壁は立ち見の人で埋まり、ホール扉が開けられてロビーにまで人が溢れているような状態。さらに最前列のさらに前に地べたに座る列ができている(これはミュージシャンと1mと離れてない)。
JPP, Lukion sali, 10.07.2006 メンバーがステージに登場すると、用意されていたマイクは一人の前に一本立っている。でも、どうやらそれはこのホール用ではなく、放送用に用意されたものらしく、メンバーの楽器にはマイクはついていない。PAで音を拡張するライヴも嫌いじゃないけど、やっぱり弦楽器はアコースティックが一番。JPPのライヴをアコースティックで聴けることに、音も出てないのに気持ちが高ぶる。
 セットリスは下記。

■JPP, Lukion Sali, Kaustinen folk music festival, 10.07.2006
Tomahuta
Pöhölö
Hämmennys
Murhe
Tango de Caro
Yli äyräiden
Sutela
Käyden
En till Sven
Stuffologie
Roudaneristyspolkka
-Rykälä
-Antin Mikko

JPP, encore, Lukion sali, 10.07.2006 最初の何曲かは、アンサンブルにばらつきがあり、聴いていてハラハラしてしまうが、だんだんアンサンブルの統率が取れはじめれば、何も心配することはない。コンサートも後半に差し掛かろうとするところになると、本領発揮。MaunoとArtoがバンドを引っ張っているということが、明らかにわかるようになり、それと同時にメンバー個々の音がものすごくクリアに聴こえはじめ、誰がどんな小技を使っているかが分かったり、どんなリズムを刻んでいるかがはっきりと聴き取れる。こうなってくるとバンドとして俄然おもしろい。バンドのセンスが感じられる。それを存分に楽しむことができ、大満足なライヴだった。アンコールは2曲。それでも客席はメンバーをステージに呼び戻す。時計を見てみれば、終了ギリギリの時間。「もうこれ以上は無理なんだよ」と言ってるかのような、首を切るしぐさを見せるArtoのゼスチャーに客席は笑い、納得。メンバーがステージからいなくなるまで拍手が続いた。来て良かった、そう思えるステージに、しばし放心状態。
 終演後、ロビーには小さなテーブルに広げられた物販に人だかりができ、しばらく近寄れない雰囲気だったので、ひとまず退散。少しして戻ってみると、ちょうどArtoがファンにサインをしているところだったので、それを見て持っているのにArtologyを購入してサインをもらうことに。Artoに声をかけると、驚いたように「Heeeeei!!」と挨拶してくれたので、こちらが驚いていると、わたしの名前を覚えていてくれたことにさらに驚く。去年、フェスティヴァル最終日に「Mr. Arto Järveläですよね?」と話しかけ、新アルバム(今思えば、それがArtologyだった)の発売を楽しみに待っていること、JPPのライヴを見たくて日本から来たということなどを、こちらが一方的に話をしているのをニコニコと聞いてくれて、もう次のステージに出ないといけないからと言わて名前を尋ねられたので、名前をつげて握手をした……ただそれだけだったのに。この間5分もないくらいの短い時間だったのに。Artoと話をしたあとホールの中をのぞくと撤収が始まっていた。Anttiがいるかと思ったけど、すでにベースは撤収したあと……。あぅ。

 適当にぶらぶらとエリア内外をさまよい(こういう書き方が多いんだけど、それはまさにその言葉どおりで、あてもなくウロウロしているのがめちゃくちゃ楽しいのですヨ)、Klubiへ行き、昼間アリーナで見たデュオPekka Pentikäinen & Perttu Paappanenのライヴを見る。アリーナより良かったかも。それにしても二人ともすごくうまいなあ。そのあとTimo Myllikangasのライヴがあるようだったので、再びLukion Saliへ。
 入り口へさしかかろうかというところで、なぜか日本語が聞こえてくる。気のせいかと思いつつ回りを見渡すと、アジア人の男性が一人立っていて「日本からですか?」ともう一度日本語で尋ねられ、その場所から10mは飛ぶかのごとく驚く。まさかこんなところで予期せず日本人に会うとは。お話を聞くと、その方(Kさん)はKihausのフェスティヴァルのあと、カウスティネンへやってきて、明日にはここを離れなければならないとのこと。お話をしていると、途中英語で「僕は台湾出身なんだけど……」と初日に見かけたアジア人男性が話しに加わる(彼はPressとしてこのフェスティヴァルに来ていた)。しばし三人で会話(といっても、ほとんど男性二人の会話を聞いていただけ)。

 10分か15分くらい話をしたあと台湾人の男性は次の取材先に行き、Kさんと話を続ける。KさんはKihausのフェスティヴァルに5年連続通っているらしく、カウスティネンは2004年にいらしたことがあるとのこと。フィンランドのフォーク・ミュージックに詳しく、お話を聞いていると、もっともっといろいろなお話を聞いてみたくなる方で、これからKさんが行くというライヴに同行させていただく。Klubiへ行きFreijaを20分ほど聴き、SpelaritIltalvaへ移動してSpelaritを聴く。どちらも初めてのバンドだったけど、とくにSpelaritは楽器編成に特徴があるわけでもないのに、なんだか耳に入ってくる音楽は新鮮に感じる。メンバーの年齢層もばらつきがあったような。いや、見た目じゃわからないけど。とにかくおもしろいバンドで、まず自分ひとりだけじゃ絶対気づかないバンドだったので、知ることができて幸運だった。
 この日は途中で大雨が降ったせいか、夜になると寒さ!が増し、着ていた服で寒さをしのげるようなものではなかったので、Spelaritのライヴ途中で帰ることに(ただでさえ人が超少なかったのに、本当にごめんなさい……>メンバーのみなさま)。残りの日にあるプログラムでKさんオススメのバンドを聞き、メールアドレスを交換してお別れしたのでした。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その2

Kaustinen 09/07/20069日 夜の大雨がウソのような晴れ。

 カウスティネンに到着して、すぐに後悔したこと。それは『携帯電話を持ってこなかったこと』……! あーあ。

 今日もまた電話をかける用事があったので、朝食前にホストのMOとMAに「この辺に公衆電話ってある?」と尋ねたら、見たことないとの返事。ま、マジですか……。携帯電話を持ってくるか散々迷ったとき、「隣が学校なんだから、公衆電話くらいあるでしょ!」と思って持ってくるのをやめたのに! するとMOが「事務所に行って電話使いたいって言えば、事務所の電話を貸してくれると思う」というので、とりあえずは行ってみることにして、食事。
 朝食は長男のPを除き、わたしを含めた6人でいただく。このお家に滞在するのはわたしが一番のりで、これから徐々にやってくるらしい。三男で一番下のRは家族・親戚じゃない人が食卓にいることがめずらしいのか、何をしていてもわたしをじっと見つめている。笑いかけてみても真顔、手を振ってみても真顔だったけど。食事のあとMAとMOとしばらく話をしていたら、もういつの間にかお昼の時間。いそいそと支度をして12時30分ごろに家を出て、フェスティヴァルエリアへ。ダメもとでエリア近辺のスーパーなどで公衆電話を探してみたけど、やっぱりない。フェスティヴァルの事務所に行って電話を借りる。

 なぜ電話をかけなければならないのかというと、実は日本で、フィンランドの作曲家Pehr Henrik Nordgrenに仕事でお会いした際、夏にカウスティネンのフェスティヴァルに行くと話しをすると(彼はカウスティネンに住んでいる)、来たら電話をしてきて、とおっしゃってくださったのだ。

 無事にMr. Nordgrenと連絡が取れ、17時にKahvila-terassiで待ち合わせが決まる。そのときMr. Nordgrenに渡さなければならないものがあったことを思い出し、一度家へ帰る。忘れ物を持って、時間に間に合うように急いで会場に向かい、約束の場所へ。しかし、時間になっても現れず、しばらくKahvila-terassi周りをうろうろし、何度もあっちいったりこっちいったりしてたら、いつの間にか約束の時間を30分も過ぎている。おかしいと思い、再び事務所へ行って電話を借りてかけてみても反応がない。3回くらいかけなおしてみても、留守番電話に変わってしまう。どうしたんだろう、と不安になり、もう一度Kahvila-terassiへ。すると、わたしはずーっとお店の中ではなく、外で探していたんだけど、Mr. Nordgrenはお店の中にいるではないですか……。無事会えてよかった。「時間通りに着いてたんですけど、ずっと外で待ってたんです」と言ったら、「電話で、『(Kahvila-terassiの)テントの下で』って言ったでしょ、あれはつまり、お店の中でって意味だったんだよ」とおっしゃってたので、ひたすら待たせてしまったことを謝る。
 しばらく二人でお話したのち、奥様にお電話なさり、わたしに電話に出ろとおっしゃるので、少しお話をする。奥様はカウスティネン唯一の日本人として、Mr. Nordgrenと同じくらい?有名な方。去年カウスティネンに来たときに「ここにたった一人だけ日本人が住んでるんだ」と教えてもらったことがあったのを思い出し、それがMr. Nordgrenの奥様だったのか、と納得。
 奥様がいらっしゃるまでの間に、Mr. Nordgrenと一緒にいたご友人が、りんごの木をくりぬいてご自身で作ったというフィンランドの民族楽器(楽器名がわからない……)でパフォーマンスを見せてくれて、30分ほど楽しい時間を過ごし、奥様との待ち合わせ場所である入り口へMr. Nordgrenと移動。奥様と初対面を果たし、奥様を含めてKahvila-terassiで1時間ほど話をする。

Friiti ja Lauri -1 その奥様と一緒に、アリーナでFriiti ja Lauriという、カウスティネンと関係の深いOjalaファミリー(もしJPPのString Teaseの楽譜を持ってるなら、最後のほうにある解説を見るべし)と、彼らがカウスティネンの音楽シーンに与えた影響がどんなもんだったかを、男性二人が演じるミュージカル仕立てにした演目(Maunoが指揮、もちろんフィドルを弾きながら)を見る。ステージの上には朗読をする初老の男性が一人、ステージの半分にはフィドル奏者たちがところ狭しと並び、フロアも半分くらいまでがフィドル、少数のハーモニウムとベースという、カウスティネン独特の楽器編成を崩さず演奏者たちが並ぶ。プログラムが開始すると同時に、男性の叫び声が聴こえてきたかと思ったら、ステージ下手側横の階段を坂道にして、そりに乗った男性が勢いよく滑り降りてきて、ステージ中央に登場したのには驚く。途中、楽団の中にいたMatti Mäkelä、Arto Järveläも中央へ出てきて、Maunoも含めた三人それぞれのソロ演奏があったり、テーブルが運ばれてきたと思ったら、Friiti ja Lauri -25人のカンテレ奏者たちがフロア中央へ出てきて演奏を行なったり、ステージの残り半分に合唱隊が登場して歌を歌ったり、カウスティネン出身の有名なカンテレ奏者(すでに亡くなっている人で、ものすごく有名なんだとか。名前失念! もしわかる方いらしたら、教えてください……)のために、カンテレ奏者以外の演奏者も客席も全員が立ち上がって歌を歌ったり、と盛りだくさんな内容。セリフは全部フィンランド語なので、完全に内容を理解することは残念ながらできず。でも奥様が途中大まかに話の筋を教えてくださったので、本当に大雑把な内容をなんとか理解。
 このとき、奥様の隣に座っていたのは、元JPPのベーシストTimo Myllykangasで、二人は知り合いだったらしく、にこやかにいろいろと話をしている。ただ、途中でTimoはどこかへ行ってしまう。Timoが元JPPのメンバーだと知ってると奥様にお話すると、「紹介しよっか?」と言ってくださったのに残念(笑)。

 終わったあと奥様と「また会いましょう」と約束をして、カウスティネン出身のフォークロックバンド、Snekkaのライヴを見るためCafe Mondoへ移動。ライブの最中に肩を叩く人がいたので振り向くと、昨年カウスティネンで知り合った友人が。別の人を通して、彼女はカウスティネンにわたしが来ることを知ってはいたけど、「ここにくればいると思ったの!」と言っていたのには笑ってしまう。趣味が似てるんだよね。久しぶりの再会を喜ぶ。
Snekka さて、Snekka。うーん、まだまだ若い。彼らのライヴを聴くと、良くも悪くもロック色が非常に強く全面に出ているので、根底にあるはずのフォーク色を感じることが難しく、ハマるまでにはなかなか至らない。去年はただ「??」と違和感だけが残っただけで深くは考えてなかったんだけど、今年は自分で分析してみた。その結果、ドラムとベースがいるからではないか、という結論。おそらくその辺が、彼らの音楽のジャンルを『フォーク・ロック』と位置づけているのかも。いままで聴いてきたのは、ドラムがあってもベースはいないとか、逆にベースがあってもドラムはいない、という編成ばかりで、ドラムもベースもいるという新しい音に、自分の耳が驚いてしまってるのかもしれない。ライヴではどうしてもドラムの音がよく聴こえてくるきらいがあるので、それとビートを刻むベースの音が合わさって、ロック色が強く出てしまってるのだ、という考えに至り、自分の中でやっと腑に落ちた。両方そろっていることがマイナスだと、まったく思わない。ただ自分が慣れてないだけだということで。演奏は、さすが2004年のカウスティネンのフェスティヴァルでEnsemble of the Yearに選ばれているだけあって、すごくうまい。とくにフィドルのTero Hyväluoma。
 分析はライヴが終わったあとにしたものだったので、今度Snekkaの演奏を聴くことがあれば、また違った聴き方ができるのかも、と実はすごく楽しみ。チャンスがあることを祈る!

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その1

 フェスティヴァルが終わったと同時に「また来年もここに来る! 絶対!」とアリーナのテントの縞模様に誓ってからもう1年が経ったのか。まだ英語の今年のプログラムが発表されておらず、仕方なしにフィンランド語で読んだとき、『今年のテーマはイタリア』と書いてあるのを見て、「イタリアの民族音楽?……カンツォーネ?」などとワケのわからないことをほざき、自己嫌悪に陥ったことなんか忘れたよ。時間が経つのは早い早い(笑)。


8日 つづき

 入り口でチケットのチェックを受け、いざエリア内に入ると、なんだかちょっと閑散としているような。まあ、まだ初日。これから日が経つにつれ、徐々に人が増えていくことを、去年の経験からわたしは知っている。
 受付をすませたときにもらったプログラムで、今日のコンサートを確認するために、ひとまずは一番近くのアリーナのベンチに座る。22時からVärttinäのコンサートがあるのを目にし、一人にんまり。確かに、今年はフェスティヴァル期間中、初日からずっと滞在することは、すでに去年から決めていたけど、事前に発表されたプログラムでVärttinäが初日の夜にコンサートをすることを知り、絶対にはずせない!と、これに間に合うようにカウスティネン到着時刻を決めていたんだし、顔はプログラムで隠したから、ニヤニヤしてもいいじゃなーい。
 でも、実はVärttinäに関する知識はほとんどなく、いくつかのコンピレーションアルバムに入っているのを数曲聴いたことがあるだけ。フィンランドの音楽を知る最初のきっかけがVärttinäだった、という人は多いみたいだけど、わたしの場合はJPPだったので、それ以降弦楽器音楽への熱が加速してしまい、歌が入ったものをほとんど聴いてこなかったから。なので、初ライヴがすごく楽しみ。

 アリーナに目をやると、ちょうどPihalavan Valssiという演目で、フォークダンスをやっていた。天気が良く、朝から移動移動で疲れていたし、喉もカラカラだったので、Cafe Mondoに移動。カウスティネンの空の下、飲むビールは最高。Cafe Mondoでしばらくまったりしていると、どこからともなくドラムを叩く威勢のいい音が聴こえ始め、だんだんそれが大きくなってきたと思ったら、ちょうどCafe Mondoの横をその集団が通りすぎているところ。何となく気持ちが鼓舞されるようなそのリズムと、あまりの音の大きさにみんなが一斉にそちらを見る。みんなに見られていることなどお構いなしに、その集団はアリーナの裏手へと消えていった。プログラムを見てみると、19時からアリーナで始まるItalia Kaustisellaに出演するGruppo Sbandieratori San Quirico d'Orciaだろうという結論になり、いそいそと移動を開始。さっきまで閑散としていたアリーナも、だいぶ人が座り始めている。

Gruppo Sbandieratori San Quirico d'Orcia このGruppo Sbandieratori San Quirico d'Orciaは、ドラムのリズムに合わせて旗でのパフォーマンスをするというイタリア出身の集団で、旗のきれいなオレンジがアリーナのテントに届かんばかりに舞い始めると、ひたすらそれに見入ってしまう。ただ一本の旗を一人で振り回すというだけでなく、人によっては二本三本と操る。ドラム隊のリズムには大きな変化はなく、いくつかのパターンを使っているといった風で、単調とは言わないまでも、少し退屈。ただ、音の強さ・大きさが合わさった威勢のよさ、旗使いが作り出す、一度として同じ動きがない旗を見ている、ただそれだけで充分なコンサートだった。

 1年ぶりだからと、会場をウロウロと歩き回る。とりあえず自分的に行かなくてはならないところは、Folk ShopというCD、DVD、ビデオ、楽譜、書籍、楽器、フェスティヴァルグッズが買えるお店。初日の夜だからか、さほど人はいなかったので、ゆっくりじっくりほしいCDがないか端から端まで丁寧に見る。去年Anttiが言っていたDVDが並んでいたので、まず手に取る。話から若手バンドをいくつかピックアップしたライヴDVDなのかと思っていたら、思いっきりJPPの名前が並んでいるのに驚き、もう買わないわけにはいかない。ほかにもカウスティネンで買えるだろうと思っていたCDをいくつか手にして、お会計。ほくほく。

 いつの間にか1時間は過ぎていて、Värttinäのコンサートのためにアリーナへ移動。一番前の席を陣取り、開始までの時間、明日以降のプログラムを眺める。重要なコンサートを中心に、どうやってまわるか考えていると、気づけばアリーナのベンチはほぼ埋まり、フロアにまで人が座り始めている。
Vartiina ステージのライトがつきはじめ、バンドメンバーがステージに登場すると演奏が始まり、一緒にヴォーカルの3人が登場。すごい歓声があがる。コンピレーションで初めてVärttinäを聴いたとき、めまぐるしく聴こえてくる音楽に頭の中がぐるぐるし、本当に目が回ったような不思議な感覚になったことを覚えているんだけど、初のライヴでもまさしくそんな風になってしまう。バンドのみ、ヴォーカルのみの演奏もあり、最後はフロアでみんなが激しく踊り始め、途中フロアに移動していたわたしはそれに巻き込まれないようベンチ席へ退散。そしてアンコールののち、ライヴが終了。

Kaustinen 08/07/2006 このあとどうしようか、KlubiでGalaxyのライヴを見ようかとか、いろいろと考えたけど、初日だし、移動で疲れてるし、結局は帰ることに。右の画像は23時15分ごろのカウスティネンの風景。家に戻る途中の道で撮影したもの。明るいなあ。
 家でシャワーを浴びたあと、ベッドに寝転がりながらプログラムをパラパラと眺めていたら、いつの間にか眠ってしまっていたらしく、ものすごい大雨の音で目が覚める。1時間ほどはバケツをひっくりかえしたような大雨、しばらくすると音が少しずつ小さくなっていき、それと同時に意識もフェードアウト。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 プロローグ

7日 日本:なんとか晴れ(でも曇りっぽかった)、ロンドン:曇り、ヘルシンキ:曇り気味

Helsinki-Vantaa Airport ロンドンのヒースロー空港を経由して、やっと降り立ったフィンランドはヘルシンキ。思ったよりも早く荷物を受け取ることができ外にでると、ちょうどフィン・エアーのバスが出発しようとしていたので、慌てて乗り込む。飛行機の到着は予定時刻の23時10分で、空港を出たのは30分ごろかな。順調なドライブののち到着した、ヘルシンキ中央駅前。バスから降りてみると、今日は週末だからか、駅前のパブが大賑わいでうるさいくらい。歩いている人もすごく多い。
 去年ヘルシンキ観光の際に泊まったホテルと同じところを予約していたので、道にも迷わずたどり着き、チェックイン(0時ごろ)。ホテルの入り口、ホテルマンの制服、おもしろいエレベータも部屋のしょぼい内装もすべてが懐かしい。設備にしては宿泊費が高いよなー、なんて思いつつも、なぜか居心地がよくてすごく気に入ってて、きっとヘルシンキに来たら、また泊まっちゃうホテル。
 部屋では、翌日の移動に備えて、テレビの音をBGMがわりにさっそく荷物の整理。ちょうど目に留まった番組を見て、ああ、これ去年もヘルシンキに泊まったときテレビで見た気がするーと思いつつも、お店広げも最高潮。そこへ突然テレビから聞こえてきた名前に耳を疑いつつも、「今、Sofia Karlssonっつった?!」と声に出してしまった。
Roger at allsang テレビに背を向けていたので顔を向けると、おお、たしかにSofia Karlssonが映っている! ラッキー! よくわからないけど、Sofia Karlssonの歌を聴くことができそうなことに、ウキウキした気分に。そして目を疑う。横にいたのはVäsenのRoger。ふおーー! こんなところでRogerを見るとは! 一気に興奮度マックス! 証拠に、と思わず写真を撮っちゃった。右の画像一番左にいる男性がRoger。その隣がSofia。ちょっとしたマイクトラブルにも落ち着いて対処していたRogerは、えらくかっこよかったです、ええ。


7月8日 ヘルシンキ:晴れ(ちょっと涼しい) カウスティネン:快晴(暑い)

 長時間の移動の末、やっとの思いでカウスティネンへ。このとき15時ごろ。聴こえてくる音楽にうれしさを隠し切れず、いそいそと事務所へ移動。受付をすませ、去年は車で泊まるお家まで送ってもらったが、今年はてくてくと歩いていくことに。日陰などほとんどなく、陽射しが容赦なく照りつける中、汗だくでトランク引っ張って20分以上歩き、やっと到着。ちょうどかなり大きなトラックが停まっていたので、何か作業中かと近づいていくと、向こうから水を汲んだボトルを手にしたホストファーザーのMAが見え、笑顔を向けてくれる。「久しぶりー!」とがっちりと握手をして、お家に向かって一緒に歩く。停まっていたトラックの横を抜けようとしたら、ホストマザーのMOが。がっちりとハグ。その横に、去年より大きくなった、唯一の女の子で上から3番目のLがこちらを見てニコニコしながら、英語であいさつをしてくれた。MOの横にちまちまと歩くR。おお、君は去年よちよちあるきだったのに、しっかりと歩いているではないか! 子どもの1年って、本当に早い。MA、MO、LとRで歩いていると、おじいちゃん・おばあちゃんのお家にいた長男のPと次男のSもやってきて、家族全員と一緒にお家に入ることに。通された部屋は去年も使わせてもらったところ。さっそく荷物をほどいて、おみやげを渡す。そして、忘れてはならない人との約束があったので、電話を借りて連絡を取り、お互いの予定を確認し、明日また連絡をすることに。
 ホストファミリーが車で買い物へ行くというので一緒に乗せてもらい、フェスティヴァルエリアのすぐ近くで降ろしてもらって、いざフェスティヴァルへ。入り口でチケットのバーコードを読み込む機械の音が耳に入ると、コンサートもまだ見てないのに、それだけで気分はハイ。

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Kaustinen Folk Music Festival 2005 その5(つづき)

(つづき)
 Saliからフェスティヴァル・エリア内へ入り、アリーナの楽屋付近で次に始まるプログラムの様子を見ようと立っていると、Artoが1人でいるのを発見。なんとなくだけど、これまで何度か見かけた雰囲気ではすごくクールな感じがしていたので、もし怖い人だったらどうしようかと思ったんだけど、「今日は最後の日だ! ここまできたらあとは野となれ山となれ!」という気持ちに後押しされ話かける。想像とは正反対の、ものすごくやさしくて気さくな人だったんで感激。出演直前だったというのに、話をさせてもらう。しばらく話をしたあと彼は、今やってるこのコンサートで演奏しなきゃならないから、と言って楽屋へと入っていった。それじゃステージを見ようと座席へ移動。彼はさっきと変わらない、Tシャツに膝丈短パン、ビーチサンダルという超カジュアルな格好そのままでステージに乗って演奏してたもんだから大爆笑。ものすごい才能の持ち主なのに、全然飾らない人なんだなーと、ちょっとあったかい気持ちに。

 待ち合わせの時間には少し早かったけど、席を立ちみんなとの待ち合わせ場所へ。これから始まるのはナイト・カドリーユ。これは、観客が参加することができるプログラムで、JPPの演奏にあわせてカドリーユを踊るのだ。最初に誘われたときは「踊れないよー」なんて言ってたんだけど、踊り方なら教えてくれるから大丈夫!と言われ、せっかくなので参加することにしたのだ。普段はダンスを教えている人だという、フェスティヴァル中何度も見かけた司会者の男性が、参加者(たぶん200人くらいは軽くいたんでは)全員をリードし、基本を指導。そして、JPPが呼ばれ、メンバーがステージに登場。Anttiが結婚式に行くために帰ってしまっていたので、誰がベースやるのか気になっていたんだけど、なんとJPPの元メンバー、Timo Myllykangasがステージに現れた。これはこれでいいんじゃないか!?と大興奮。

 ステージ上のJPPにポーッとなっていたら、練習なんてする間もなく、ぶっつけ本番であのミニアルバムHuutokatrilli!に収録されているのとまったく同じ構成で演奏がスタート。踊り始めると、そこにはあまりにも人が多すぎたため、たくさんの人とぶつかってしまうのに、みんな全然気にしてなくて楽しそうに踊っている。こちらも少しずつ楽しくなってきた。このアルバムを愛聴していたわたしは「もしかして、だんだん早くなっていって、最後には猛スピードで踊らなきゃならないんじゃないの?」と一緒に踊っていた彼女たちに聞くと「その通り!」との返事。最初は演奏に耳を傾ける余裕があったのに、後半は踊るのに必死。そして予想通りだんだんテンポが早くなり、もうみんなでわやくちゃになって踊り、最後にはステージにみんなで波のように押し寄せ、演奏者へ大きな拍手とともに演奏終了。
 ……この気持ちは言葉で上手く表現できない。とにかくひたすら感動。JPPの演奏にあわせて踊っちゃったよーー!という気持ちが一番大きかったかも(笑)。ものすごくものすごく楽しくって、30分が一瞬のようだった。
 大勢でカドリーユを踊ったあとは、続けてJPPの演奏によってワルツが始まり、慣れないながらもワルツのステップを踏み、踊る。ここでもたくさんの人にぶつかるけど、もうまったく誰も何も気にしていない。途中、肩をたたかれたので振り向くと、ステイ先のご主人と奥さんが仲よさそうにワルツを踊っており、手を振ってくれた。

 ワルツの演奏が終わると、ここでJPPのライヴも終わり。この時点で1時すぎ。楽しいようなうれしいような、悲しいような寂しいような複雑な気持ち。あまりの楽しさにすっかり忘れていた、ここへ来るまで大変だった準備と道中を突然思い出したり、次にJPPのライヴを見るのはいつごろになるかな、とか、Friggのライヴは今度どこで見ることができるかな、とか、いろんな思いや考えが頭の中をグルグル回りはじめ、しばらく黙ってしまう。ボケッとしていたところ話かけられ、解散することに。コンサートは朝方4時まで続く。
 一緒に踊った彼女たちが車で送ってくれるというので、アリーナを離れる。すると会場出口近くにMaunoが! Maunoの教え子だったというWさんの娘さんが声をかけてくれて、ほんの少しだけ話をさせてもらう。Maunoは「ごめん、もうすごく眠いんで、帰るね」と言って帰っていった。関係ないけど、Maunoの声は耳に心地よい綺麗なバリトンだった……。
 車から降りる際に「来年もまた来たいなー」と言うと、「それはぜひ来なきゃだめですよ!」と言われ、また会うことを約束して別れる。お家までの道をトボトボと歩いていると、またもや今までのことがフラッシュバック。頭がパンクしそうだった。

 そうして、わたしにとってのフェスティヴァルが、すべて終了。
 
 
 
 
 

 ……とキレイには終わらないのだ!!
 ステイ先に帰ってシャワーを浴びたあと、今日撮った写真を確認しようとカメラを取り出すと、2枚あったはずのメモリーカードが1枚しかない。持ち歩いていたカバンから洋服のポケットから床から、すべてを探してもどうしても見つからない。何度ももう一度、と思って見てみても、まったく見あたらない。実はそのメモリーカードにはものすごく大切な写真が入っていたので、顔面蒼白。落としたとなると一体どこで?と考えたとき、浮かんだのはMaunoと話をしたとき。このときカメラを取り出し、メモリーカードを入れ替えたので、そこで落としたに違いないと断定。
 急いで洋服に着替え、誰もいなかったので、昼間使わせてもらった自転車を勝手に拝借、猛スピードで会場へ。アリーナではのん気にコンサートが開かれていたけど、それには目も耳もくれず、Maunoと話をした場所の周りを探す。目を凝らしていると2mくらい先に見覚えのある色が。近づいてみると、砂にまみれたメモリーカードを発見! 砂を払い、念のためにと思って持参したカメラに差込み、カードの中を見てみると、そこには大切な写真が写し出され、ほっと胸をなでおろす。このときの安堵感といったらなかった。この時点で、2時前後。寝る前にもう一度写真を確認して、安心して眠った。


 これでやっと、本当に、長かった一日、長かったフェスティヴァルが終了。
 そして、長かった文章も終了。

 
 

 ここまで読んでくださった方がいらしたら、大変お疲れ様でした。自分の覚え書きなもんで、いろんなことを書きすぎたかなと。あと、慌てて書いたので、文章が汚くて申し訳ないです。写真のアップはいずれ。
 後日談も載せますが、めんどくさいなら読まない方が。

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Kaustinen Folk Music Festival 2005 その5

16日 良い天気で風も穏やか。夜には20分ほど大雨、少し蒸し暑い。

 Perhonjoki昨日自転車散策から帰ってきたときに、奥さんがここにはトナカイを飼育してる場所もあるのよと場所を教えてくれていたので、Maunoの学校と併せて見学しようと、朝食を食べてすぐに出発。昨日とまったく同じ道順を通り、橋を渡る。渡ってすぐに馬を飼育している場所があり、今日はそこに馬がいたので(昨日はいなかった)、自転車を降りて近づいてみる。2頭いたうちの1頭がじーーっとこちらを見ている。こちらも負けじとじーーっと見つめ返す。にらみ合い(?)がしばらく続き、日本語で話しかけてみる。さして反応もなかったので(当たり前だ)自転車に乗りその場を離れたけど、それでもずーっとこちらを見てる馬がおもしろかわいかった。

 ちょっと走るとMaunoの学校に到着。昨日見た芝生の場所だった。自転車で走っているとちょうど見えない場所に看板が立っていたので、これじゃあ気づかないのは当たり前かと。Fritti Sali
人がいなさそうだったので、ちょっとぶらぶらしていたら、音楽が聞こえてくるので、そちらへ行ってみる。そこには人が結構いて、どうやらちょっとしたコンサートをやっているよう。遠くから少しずつ近づき、音楽を少しだけ聴く。
 綺麗な芝生を見てから学校を出発しT字路へ。左へ行けば昨日と同じコース、右へ行けばJPPの地元でもあるJärvelä。ここでは、地名がそこの住人のファミリー・ネームになっているんだよ、とステイ先のご主人が言っていたのを思い出す。ということは、JärveläにはJärveläさんが多く住んでいるということか。ちょっとおもしろそうなので右へ曲がってJärveläへ。ところどころにある郵便受けの前で自転車を止めては、名前を確認すると、確かにJärveläさんだらけ。おもしろい。
 まったく車とすれ違わないけっこう大きな道路を、外装の綺麗なお家をしばし眺めながらスイスイと自転車で走るのは気持ちがいい。天気もよかったのでなおさら。地図で現在地を確認したら、持っていた地図上から大幅に過ぎてしまっていたので、これ以上進むのはやめておこうと途中でUターン。次はトナカイの飼育場所を目指す。一応それらしき場所は見つかったので自転車を降りて中へ入ってみたけど、残念ながらトナカイはいなかった。

 ステイ先に戻ると、ちょうどご主人と奥さん、娘さんが車でフェスティヴァル・エリアに行くというので、一緒に乗せてもらう。ご主人はフェスティヴァルのお手伝いがあったので、会場の入口で別れる。1時からアリーナで行われる、女性だけで構成されている演目がとってもいいわよ、と奥さんに薦められていたので一緒に見る。そこでフィドルを演奏している女性たちを指し、奥さんが「あの子とあの子、それからあの子も、あの子もMaunoの娘たちなのよ」と教えてくれた。みんなMaunoにソックリ。
 この演目ではたくさんのフィンランド民謡が演奏され、みんながダンスを踊り、歌い、それを聴くことができて、見ることができてすごく楽しい気分に。こういうのがずーっと続くと幸せだろうな、と漠然と考える。

 このあと、Wさんたちと待ち合わせをしていたので、その場所へ。すぐに車で彼女たちのお家へ移動し、お邪魔させていただく。到着してすぐにJPPのHistoryをかけてくれ、しばしJPPの話をする。すると娘さんがごそごそと始めたのでどうしたのかと思っていたら、「JPPのドキュメンタリー映像、見たことありますか?」と聞かれた。これはどうしても見たくてネット上で探し続けていたモノ(英語タイトル:JPP - The incredible Finn band)。そういうのがあるのは知っていたけど、見たことはなくって、すごく見たいと思っていたんだと言うと、いまそのビデオを探してるので、ちょっと待っててくださいとのこと。しばらくして見つかり、上映会。この番組はフィンランドの放送局YLEが制作したものなので、本国では当然フィンランド語(ヨーロッパ各国で放送されたときは、英語字幕と英語ナレーションになっている)。言っている内容は分からないけど、映像を見るのがとても楽しく、食い入るように見てしまう。昨日今日と自転車で通った橋を、Artoがフィドルケースを背負いながら自転車で通っている映像があったり、レッスン風景、彼らの若い頃の映像、もちろんライヴの映像もあり、彼らの普段を知ることができて、かなり興味深い内容。その中で小学生のAnttiとEskoが大人に混じって一緒に演奏している映像があり、思わず「かわいいーー!」と叫ぶ。
 上映会のあと、地図を見せながらサイクリングの話をしていたら、わたしが馬と見つめあっていたその場所は、Anttiの実家なんだと聞かされた。なんだかローカルな話題だ。それにしても、知らないって怖い。馬に話しかけていたところでAnttiに出くわさなくてよかった(笑)。

 これからWさんの妹さんと娘さんが出演するミニ・コンサートがあるというので、再びフェスティヴァル・エリアへ移動。中へ入るとちょうど向こうからご飯を食べながらAnttiが歩いてきたので、手を振り、ちょっとだけ話をする。夜にまたSaliでシベリウス・アカデミーのコンサートがあるけど、これもAntti?と聞くと、今日はEskoと2人でやるんだよ、というので見に行く約束をして別れる。そしてミニ・コンサートが開かれる会場へ。ここでも素朴なフィンランド民謡を聴くことができてシアワセな気分に。
 今日の夜中に行われれるナイト・カドリーユにWさんの娘さんに誘われていたので、待ち合わせ時間を確認。ここで一旦みんなと別れる。
 しばらくしてからAnttiのコンサート開始直前にSaliへ移動。中をのぞいてみると、スタッフの人らしき女の子とAnttiしかいない。おかしいとは思いつつ中へ入る。するとその女の子が「今日のプログラムは終了したので、このホール閉めたいんですけど」と言うので「え!? コンサートってもう終わっちゃったの?」と聞くと、「7時から8時までだったので終わりましたよ」と言われた。このときすでに8時を5分ほど過ぎていた。……ああ。時間を間違えてしまったのだ。なんでプログラムをちゃんと確認しなかったのかと。もうアホかと、バカかと。急いで外に出るとAnttiがEskoと話をしていたので声をかけ、時間を間違えちゃって演奏を聴くことができなくって、本当に残念、ごめんなさい、と謝る。Anttiは「気にすることないよ、また次の機会にね」と言ってくれたので、ますます申し訳ない気持ちに。残念なことに、このあと彼はいとこの結婚式に出るために、Kaustinenを離れなければならなかったので、ナイト・カドリーユは出演できないと話を聞いていたのに! 時間を間違えたことを激しく激しく激しく(以下略)後悔。10〜15分くらい話しをしたあと、またね、と別れた。
 すごく疲れていただろうに、いつもにこやかに対応してくれてほんとにありがとう、Antti。(つづく)

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Kaustinen Folk Music Festival 2005 その4

15日 快晴。どこまでも青い空。暑いけど風は涼しく快適。

 朝食を食べたあと、すばらしいことを思いつく。ご主人に、この辺を散策したいので自転車を貸して欲しいと話し、借りることに。自転車の乗り方の説明を受け(ハンドルにブレーキがあるのではなく、ペダルを後ろに回そうとするとブレーキがかかる仕組みになっている)、地図を見せてもらいながら、小さくてきれいな橋があるから、そこを渡ってぐるっとまわってくるといいよ、と道順を教わり、さっそく出発。娘さんが途中まで自転車でついてきてくれて「Hei hei!!」と言って別れた。
 朝が早かったせいか(それでも10時はまわっていたけど)車が少ない。いや、もともと車は少ないんだけど、さらに少なく、すれ違ったり追い抜かれたりすることがほとんどない。大きい通りに出るとさすがにそんなことはなかったけど。しばらく走っていたら「ここで曲がるんだよ」と教えてくれた道の標識が見えたので曲がり、少し進むと小さくてかわいい橋が見えてきた。Bridge橋の上で自転車を降り、しばし休憩。すごく気持ちのよい風が吹いていたので、そこから動きたくなくなってしまった。川を眺めていると、ボートに引かれて馬が泳いでいるのを発見。めったに見られない光景だなーと思い、しばらく見ていた。
 再び自転車に乗って走ると、やがて林の中。途中にあった、太陽に照らされてさらに青さを増していて綺麗に光っている広い芝生を横目に、そのまま道を進むとT字路に到着。やっと舗装された道路に出る。ここを左に曲がる。木と木の隙間から見える川を見ながら走っていると、大きな道路に出た。そこをまた左に曲がると見覚えのある道路に出て、やがてフェスティヴァル・エリアに到着。エリア内から聴こえてくる音楽を耳にしながら、いつも歩いている会場とステイ先までの道を自転車で走り、出発してから1時間後、ステイ先のお家に戻った。
 お家に到着すると、ご主人と奥さん、娘さんと一番下の男の子(1歳)が家先で遊んでいたのでしばらく一緒に遊ぶ。そのとき、散策でのことをいろいろと話していたら、ご主人が地図を指して、ここにMaunoの学校があるよと教えてくれた。それとはまったく気づかずに通り過ぎていた場所だったので、明日また自転車を貸してもら約束をした。奥さんが娘さんをアイスで釣り(笑)、一緒に写真を撮る。娘さんがわたしの分のアイスも持ってきてくれて一緒に食べた。甘くておいしかった。

 今日はJPPのライヴがあるので、なんとなく気合いもはいる。準備万端で出かける。
 Pelimannitaloでのプログラムがいいよとの話だったので、それを見に行くことに。しかし、小さなスペースでのコンサートだったので、時間ギリギリに行ったためか、すでに超満員。中には入れないし、どこからも見ることができず、しょうがないので会場入口すぐのところにあったテーブルに腰かけて、音楽だけを耳にしていた。すると、隣に座っていたフィンランド人の女性に「日本人ですか?」と話かけられ、ほんのちょっとの警戒心を持ちながら「そうです」と言うと、その人はいきなり日本語を話し始めたので驚く。日本に何年か住んでいたことがあるとのこと。「しばらく日本語を話していなかったので、もうだいぶ忘れちゃってますが……」とは言うものの、そんなことはまったくなく、英語を交えながらいろいろと話しをさせてもらう。彼女(Wさん)の娘さんがこのコンサートに出演しており、このプログラムが終わったら「娘にも会ってほしい」と言われ、終演後に娘さんにご挨拶。途中で合流したWさんの妹さんにもお会いする。3人に「もし時間があるなら、すぐ近くに家があるので、ぜひ遊びに来て欲しい」と言われ、見る予定にしているコンサートのスケジュールを確認してから返事をすると言って、夜CLUBで会う約束をして別れる。

 Cafe Mondoでビールを飲んでいると、スウェーデンのグループ、Falu Spelmanslagによる演奏が始まった。ここしばらくずーっとフィンランドの伝統音楽を聴き続けていたためか、スウェーデンの伝統音楽とスウェーデン語がとても新鮮に聴こえた。フィンランドとスウェーデンは隣同士の国だけど、音楽は全然違う(言葉も全然違う)。スウェーデンは洗練されていて、フィンランドは素朴そのもの。スウェーデンのももちろん音楽的にはかなり素朴なんだろうけど、フィンランドの方が素朴度が高い。そんなことは置いといて。やっぱりスウェーデンの伝統音楽、大好きだ!と改めて思いながら聴いていた。

 Anttiが昨日言っていたシベリウス・アカデミーの学生によるコンサートを見に行く。昨日と同じ場所に座り、コンサートが始まる前に会場を見渡していると、MaunoとTimoが客席にいるのを発見。なんだか幸せだ……。SIBA今日のコンサートは、昨日会ったギター(アコーディオン持ち替え)の子と、Esko、Anttiの三人でやっていた。EskoがピアノでAnttiがフィドルと、2人で演奏した曲が、大好きな"Triolipolska"(Oloneuvosというアルバムに収録されている)だったので、うっとりとした心持ちで聴く。途中からTimoもピアノで参加し、2曲ほどピアノで一緒に演奏。Maunoは途中で出ていってしまい、Timoも演奏が終わるとすぐに出て行ってしまった。

 コンサート終了後、急いでCLUBへ移動。会場はすでに満員状態。昨日のSnekkaのときに2階からの眺めが気に入ってしまったので移動してみると、ちょうど位置的にTimoとAnttiの背中をみる格好になってしまうことに気づく。これはわたし的に全然良くない!と、結局1階で見ることに。前から2列目くらいの場所を見つけ座り込む。この位置なら全員をよく見ることができる。すごくステージが近い。
 JPPが呼ばれメンバーがステージに登場すると、これまで見てきたコンサートとは比べ物にならないくらいの歓声があがり、人気の度合いがほかのバンドとは違うこと一瞬にして分かる。ああ、ほんとに目の前にJPPがいる!JPP (Klubi)
 最初から飛ばし気味に音楽がスタート。ステージから緊張感が漂ってくることはなく(悪い意味ではない!)、演奏中はみんな余裕で、しかもなんだかMaunoやArtoは表情を崩すこともあまりなく、飄々としてる。もちろん演奏は本当に最高。Anttiは曲の途中でボウをハーモニウムの上に投げるし(笑 これはそういう演出なのだ)。噂によると今日はリハーサルをやらなかったとか。それでコレかー。信じられない!! でもそれがJPPっぽいのではないかと思えて笑える。ペリマンニという言葉の概念がいまいちよく分かってなかったけど(ただ単に「音楽家」と訳すのはちょっと違うだろうと思っていたので)、彼らのライヴで少し分かったような気がする。
 それにしてもみんな上手すぎ。ほんと上手すぎ。MaunoとArtoがそれぞれソロでやった即興が、あまりにもすごくてかっこよくて。どんどん彼らの演奏に惹きつけられて、真剣に見入ってしまう。すると、いつの間にか時間が経っていたらしくもう最後の曲。アンコールは"Speedy Slam"と"Antin Mikko"を演奏。ほんとにあっという間の1時間30分。この時間は短すぎ。いつまででも聴いてたかった。

 会場でWさんの妹さんと娘さんに会う。明日お家へ遊びに行くという約束して、話をしていたら次のバンドの演奏が始まったので見ることに。コンサートが終わったあと彼らと別れ、フェスティヴァル・エリア内をぶらつく。今日はMahala rai bandaのステージがあったんだけど、それはすでに23時で終了しており、アリーナでは次のバンドのコンサートが始まっていた。せっかくこの時間までいたんだから、とCLUBで3番目に出演するバンドのライヴでも見ようかと、もう一度CLUBへ移動。その入口でAnttiに会い、挨拶。そのあと話ができればよかったんだけど、向こうは友達が一緒だったのでわたしはそのまま中へ入ってしまった。でも、やっぱり話せばよかったんじゃないかと大後悔。結局そのバンドのライヴは興味がそそられるものではなく、1曲聴いただけでCLUBを出た。もうそこにはAnttiはいなく、帰り道は相当激しく落ち込んで帰った。

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Kaustinen Folk Music Festival 2005 その3

14日 晴れ。昼間暑さときどき涼しさ、夜は涼しすぎ。

 今日も娘さんがダンスをするというので、場所と時間を聞いてから、みんなよりちょっと先に出発。会場には12時ごろに到着し、娘さんの出番が12時30分だったので、簡単に昼食をすませ、プログラムが行われるチルドレン・テントへ。Children's folkdanceここはアリーナほど大きくはない、ほんとに小さなテントで、壁には子どもたちが書いた絵が飾られていて、さながら幼稚園のような雰囲気。テント横には公園があり、そこで遊ぶ子どもたちもたくさんいた。テントへ行くとすでにプログラムは始まっており、娘さんがステージに立って、これまたかわいらしいダンスを披露していた。あまりにもかわいいので写真を撮ろうと前に出たら、彼女がわたしに気づき手を振ったので振り返す。その後も、わたしをチラチラ見てはニコッと笑い手を振るので、自然とにへらとしてしまう。民族衣装を着た彼女は本当に素敵でかわいかった。プログラム終了後、家族の集合写真を撮る。

 フェスティヴァル・エリアの外にある学校のホール(Lukion Sali)で、シベリウス・アカデミーの学生によるコンサートがあることに気づき、興味引かれて見に行く。中へ入るとすでに演奏は始まっており、用意されていたイスではなく、ホール後ろの階段状になっていたところへ座る。ステージではAnttiとEsko、他2人の男の子、合計4人がフィンランドの伝統音楽を演奏していた。うーん、我ながらいい勘してる(笑)。SIBAAnttiはコントラバスと何かの楽器の持ち替え、Eskoはヴィオラとピアノ、あとの2人はギターとアコーディオンの持ち替え、フィドルという編成。フィンランドのほかにスウェーデンやスコットランドなど、いろんな伝統音楽を演奏。4人ともほんと上手くて、あっけに取られていると、あっという間にコンサートが終了。ホール自体は天井が高く、広さもキャパ100人くらいで(その割にはイスの置き方が贅沢だった)ちょうどいい感じ。終わって会場を出ると、そこにTimoがいた。よく見かけるなあ。

 コンサート終了後、フェスティヴァル・エリア内に移動。会場あちこちで目にしていたポスターの通り、今日のメインはヨーロピアン・ダンス・キャラヴァン。やはり人気のプログラムだったためか、アリーナにはすでにたくさんの人。座れる場所がなくなってしまっていたので、立って見ることに。ステージには演奏をする楽団が乗りはじめたので眺めていると、Eskoが登場しハーモニウムのところに座り、ちょっとして演奏が始まった。European dance caravan各国(