« August 2010 | Main | February 2011 »

とうとう来日、JPP!! その3

 きっと大方の予想通りであったろうなとは思うのですが、行ってきましたよ、札幌へ! JPPライヴ@札幌ちえりあホール

 今回のJPPのツアー全3公演のうち、唯一のPAありの、そしてワンステージライヴでした。

 コンサート前日である8日は、とにかく9日に休みが半日もしくは一日取れるように、ひたすら仕事しまくり。翌日にそれを残さないようにして、なんとか9日に14時30分の飛行機に搭乗。16時には新千歳空港に到着、電車で移動して予約していた札幌市内のホテルにチェックイン、ゆっくり休む間もなくコンサート会場のちえりあホールへ。

 武蔵野や伊丹に比べると、少し大きなめなホールに、もしかしてPA?いやいや、そんなことはないか、なんて思っていたら、今回のツアーで初のPAありに少々驚き。カウスティネンで聴いたことがあるJPPのライヴはほとんどPAありだったので、これまた非常にテンションのあがる出来事だったのでした。

セットリスト

Lundgren
Tomahuta
Vanha Paimenen Soitto
Kalevan Polkka / Artun Polkka
En till Sven
Onnen Päivät
Engel
Irish Coffee
Mollisotiisi / Thores Schottis
Murhe
Penssarin Polska
Rintalan Hekin Polska
Taklax G
Antin Mikkon
Bjudan Marsch
Hämmennys
Stuffologie

*Juottomarssi
*Tuuko-Nikolai Valssi
*Uljas Polska Från Vårdö

-Finnish Gypsies
--Tango de Caro

*は7日に楽器のワークショップをやった際、参加されたみなさんがJPPと一緒にステージに乗って演奏した曲です。参加楽器はフィドルやカンテレはもちろん、アコーディオン、鍵盤ハーモニカ、トランペット、馬頭琴なんかもあって大賑わいでした。[追記 11/11: WS参加者と演奏した最後の曲名が分からなかったのですが、WSにも参加されライヴ当日オープニングアクトもつとめられた、カンテレ奏者のあらひろこさんにタイトルを教えていただきました。あらさん、ありがとうございました]

 前の2回はアコースティックだったので、どんな違いがあるかと思っていたら、さほどは何もなかったかな。個人的には「いつものJPP」。広いステージの横幅をまんべんなく使って6人が横並びになるのを見て、「そうそう、これこれ!」なんて思ったり。
 あいだに休憩がなかったからか、彼らの音楽に集中することができて、本当に楽しかった。疲れているだろうに演奏レベルを保っているのはさすが、としか言いようがない。あの飄々とした雰囲気は、本当にかっこいいよなー。個人的に、JPPが一番輝いている点だと思う。
 アンコールは2回。2回目は予定なしのアンコールだったみたい。拍手で2回目に呼び出され、さりげなく始まったTango de Caroは気負いがまったくなくて、自然なタンゴで、聴いててなんかいろんなことを思い出しちゃったりしたなあ。フィンランドはタンゴが盛んな国で、JPPをはじめとして、いろんなバンドがよく演奏してるんだけど、絶品はやっぱりJPP。「JPPが演奏する、フィンランドの(もっさりとした/笑)タンゴが一番好きだー好きだー好きだー」と叫びたくなりました(ここに書かれているのはすべてほめ言葉です)。

 終わりって本当にさびしい。すごく濃密だったJPPとの時間が終わってしまって、終演後は気が抜けてしまい、サイン会を行っているメンバーを遠くから眺めているだけでした。時間が経ったらだんだんと意識が戻ってきて、こちらに気付いたメンバーたちに手を振ったりする余裕も。伊丹で帰り道に一緒に歩いていたアルトとマッティには「北海道は行きたいけど行けないと思う」と言っていたので、「なんでいるの!?」と驚かれた。ことの次第(月曜日に一生懸命仕事をして、それを終わらせて、火曜日に休みを取り、札幌公演に来た)を話したらすごく喜んでくれたので、行って本当に良かった。カウスティネンと日本で会って話をしたことがあるのは、アルト、ティモ、アンティの3人だけだったので、マウノ、トンミ、マッティとも仲良く?なれてうれしかった! みんな気さくで本当にやさしい。

 メンバーから「来年のカウスティネンに来る予定はあるの?」と聞かれ、「うーん、分かんない。行きたいとは思ってるけど……」とだけ返事しておいた。行きたい気持ちはあるけど、現段階では何とも。プログラムが発表されるであろう、来年の春に期待して。

|

とうとう来日、JPP!! その2

 やっぱり武蔵野の公演を見て、伊丹公演に行くことにしててよかった……!
 ということで、行ってきました。JPPライヴ@伊丹アイフォニックホール

 今日はオール・トラッド・チューン。そんなに数多くJPPのライヴを見たわけじゃないけど、聴いている限りではすべてトラッドってなかった。カウスティネンで踊る真夜中のハイライト、ナイト・カドリーユですらオリジナル曲を演奏してるくらいだもの。完全にトラッドばっかりって初めての経験。これを事前情報で知っていたので、それはもう、楽しみで楽しみでしょうがなかったのでした。

 ステージに登場したペリマンニたちは、いわゆる典型的なペリマンニの格好(黒のスラックスに白のワイシャツと黒ベスト)! JPPとしてみんながペリマンニスタイルをしていたのは初めて見た! これはちょっとレアだった~。うふふ。これだけでも行って良かった。見た目と演奏とで、当然またもやカウスティネンにトリップですよ。
 演奏はもう、なんと言うか、すばらしいの一言(文才なくてすみません)。会場の空気は完全にカウスティネン。とくにマウノ! トラッドだからなのか、水を得た魚かのようなのりのりっぷり。武蔵野もかっこよかったけど、今日のマウノは一段と輝いていました。いや、もう、めっちゃくちゃカッコよかった! 武蔵野とはまた一味違った、というより、まったく毛色が違ったライヴに大大大満足。オリジナルが入ってるライヴもJPPなんだけど、トラッドばかりというのもJPP、とどちらもまったく違和感がないんだよなー。どちらも大好き。

 よし、セットリスト載せちゃうぞ!

--1st set
Lundgren
Norsk Schottis
Vanha paimenen soitto
Bjudanmarch
Kalevan polka / Arttun polka
G-duuri masurkka
Tjöck
Bromarvin polska
Puikkoristikko
Hårgalåten
Molli sotilsi / Thores shottis

--2nd set
Arvon alotus
Polska kuortaneelta
Ragvals
Kringellek från Siljansnäs
Surumarssi
Menuetti ja polska
Lapväärtistä
Mylly polkka / Eriks polkan
Penssarin polska
Rintalan Hekin polska
Taklax G
Antin Mikko
Lampaan polska
Karjalan yleiskatrilli

-Yö saaristossa
--アーテペリコ(スペル分からず)

 さすがトラッド。聴いたことがない曲が何曲かありました。中には20年ぶりに演奏した、という曲もあったみたい。
 アンコールは1曲だけのはずが、お客さんに促されてもう1曲増えたのかな?と思います(N3や武蔵野のアルトを見てれば分かるんだけど)。セットリスト見て改めて、こんなにたくさん演奏したのか!とビックリ。満足しないわけないでしょ。個人的には、ナイト・カドリーユでメドレーで演奏してるのしか聴いたことがない曲を単独で聴けたのがうれしかったな。お客さんもとっても良くって、メンバーも感激してました。
 理由あって、この日はがんばって着物でコンサートに行ったんだけど、みんなから着物をほめてもらえてうれしかったな~。思い出思い出。

 ここで日本でのJPPのライヴ体験は終わりかと思ってたのに、むくむくと札幌行きを考えるようになってしまってマス……。別れ際、アルトに「じゃ、また札幌で!」とか言われて(札幌は行きたいけど行けないと言ってある)、非常に今迷ってます。これじゃあ、バカといわれても仕方ない。でもだって。日本で見られるなんてもうきっとないだろうから、最後まで全部見たいって思っちゃう。まあ、日本で見れなくてもカウスティネンに行けば見られるわけだけど、あちらはフェスティヴァル、こちらは単独公演。内容の濃さはどちらも濃いけど、内容がぜんぜん違う。そう思うとやっぱり札幌行きたいと思ってしまってね……。後悔だけはしたくないので、なんとか前向きに。

|

とうとう来日、JPP!! その1

 この日をどんなに待ったことか。記念すべき日!
 JPPライヴ@東京武蔵野文化会館小ホール

 初めてJPPのアルバム“String Tease”を聴いてから、どうしてもライヴを見てみたくて、フィンランドのカウスティネンへ行ったのは2005年。それから06年、07年、09年と4回カウスティネンでJPPのライヴを見てきた。いつか来日しないかと心待ちにしていたら、とうとう今年2010年、来日決定。そして東京、大阪、北海道でライヴをすることに。この夢のようなニュースに心踊り、そして地に足がついてない状態で11月3日の東京公演を迎えました。
 全員が東京に揃うのが2日と知り、前日は遠足を明日に控えた子供のように、ドキドキしすぎて朝方まで眠れなかった。本当にJPPが東京にいるのか、6人が揃っているところを見るまで信じられなかった。

 客席はほぼ満員。みんなが期待してるからか、なんとなく客席も落ち着かない感じ。
 そして座席に座り、客電が落とされたときは心拍数が急激に上がり、6人がステージに現れたときは、もう倒れそうなくらいに感激。ステージ右からベースのアンティ、ハーモニウムのティモ、フィドルのマウノ、マッティ、アルト、トンミが並んでいるのを見て、気持ちが一気にカウスティネンに飛んでしまったのは言うまでもなく。「ああ、いつもカウスティネンで見てる立ち位置に全員が並んでる……!」。
 1曲目の演奏が始まった途端、ステージ後方にあるパイプオルガンが視界から消え、そこはまるでカウスティネンの会場、LukionsaliかKulbiか。ホール内は弦楽器とハーモニウムの音がいっぱいになり、体中がJPPの音楽を堪能。しかも、フェスティヴァルだと1時間くらい(JPPは優遇されているからなのか、これでも他の出演者たちよりも時間が長い)の演奏で終わってしまうけど、このツアーはもちろん単独公演。2時間近くもJPPのライヴを聴けるなんて! 座っている位置が良かったのか、カウスティネンで見るよりも、6人がいかに細かいことをやっていて音を紡いでいるのかがよく見えておもしろかった。フィドルの4人はファーストとセカンドのパートに分かれて違う旋律を弾いていることが分かっているにしても、ひとりひとりのボーイングが違うのが、いつもどおりで見てて楽しかった。そしてあの音の絡み合い! CDでさんざんJPPを聴いていても――改めて言うことじゃないけど――ライヴが一番おもしろくて楽しくて最高にすばらしい、JPPってそういうライヴバンド。スピード感が全然違うもの。そして、フィドルが4本というのは、響きがちょうど良い豊かさで、一人や二人じゃできない音作りになるのがまたいい。
 ライヴのあとはいつのものように放心状態。ものすごいハイな気分で聴いていたからか、一気に脱力しちゃった。まだまだずーっと聴いていたいという気持ちがムクムクと膨れ上がって困ってしまう。

 北海道のネタバレにならないように、セットリストはあげないでおこうかな(いや、同じセットリストになるかどうかも分からないし、3日のセットリストは他の人がすでに上げてるかもしれないけど)。[追記 11/11:最後にセットリストアップ]でもちょっとだけ書いてしまうと、フィドル4人のうち3人のソロがある。これが本当に本当に最高に良かった! メンバーのソロなんてなかなか聴く機会ないもん。おもしろかったのは、シーンとした会場にあるソロ演奏者の左手が弦を押さえるたびに、指板から指が当たる音が聴こえたこと。それがまた何とも良くってね……しみじみしてしまった。
 JPPのライヴ、これだけは言える! 新旧のアルバムからいろんな曲が演奏されていて、ずーっとワクワクし通しになること間違いなし! 絶対楽しいから、絶対聴くべき。

 ライヴ会場では、JPPの新譜“Live in Duluth”が販売されています。CD2枚組。アルトとティモがノルディック・トゥリーで来日したときには間に合わず、あとから来た4人のメンバーが持ってきたという出来たてのホヤホヤCD。持ってきている枚数が少ないらしいのですぐに売り切れちゃうこと必至。その他にも入手しづらい旧譜も数タイトルや個人で持ってきたJPPとは違うバンドのCDなども販売されていました。
 大阪、伊丹での公演は、オール・トラッドなんだそう。いつもライヴで聴いている曲が聴けない寂しさがある一方で、ライヴでは一度も聴いたことがない曲が聴けるんじゃ!?と楽しみでもある。
 よーし、次は伊丹公演だー!


セットリスト
(ただ、時間が経ってしまってるのと、解読できない自分ながらの暗号もあって、非常に自信がないです……間違ってたらすみません)

Lundgren
Tomahuta
Vanha Paimenen Soitto
Engel
En till Sven
Onnen päivät
Pelimannin kosto
Sininen Valssi
Hale-Bopp
Murhe

Kalevan polkka / Artun Polkka
Mollisottiisi / Thores Schottis
Konstan parempi valssi
Penssarin polska (Mauno)
Rintalan Heikin polska (Matti)
Taklax G (Arto)
Antin Mikko
Tango de caro
Häämarssi
Kalmari Special
Stuffologie

-Roudaneristyspolkka
-Tilkkapolkka
--Bjudan Marsch

|

« August 2010 | Main | February 2011 »