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アルコールと反省

 ああ、どうして自制ができないんだろう、と悩むことは多々ある。でも、この日ほど真剣に本気で庭に穴を掘って、しばらくそこに潜って日々反省、というそこまでの気持ちになったのは初めて。言い訳をすれば“極度の緊張から”。……ワインをしこたま飲んでしまい、ものすごく酔っ払ってしまったのでした。

 11月の三連休最終日、ピアニストの舘野泉さん宅で開かれるホームコンサートにお邪魔することに。基本的にはお手伝い(もちろんほかのスタッフの方もいらしたので、限りなくお客に近いお手伝いということで)。その日は約20名の方がいらっしゃるとのことだったので、お部屋に20人が座れる場所を、スタインウェイのピアノを囲むようにセッティング。わたしは、通常コンサートステージで譜めくりストしか座わることのない、ピアノの低音部側というめずらしい位置で演奏を聴かせていただきました。
 演奏曲目はシャコンヌ(バッハ=ブラームス)、いのちの詩(木島由美子)、休暇の日々より〔3手連弾〕(セヴラック)、ディヴェルティメント(パブロ・エスカンデ)、アヴェ・マリア(カッチーニ=吉松隆)。どの演奏も、ピアニストを目の前に聴くことができ、音楽、迫力、息遣い、どれもがすべてダイレクトに耳へ届く贅沢。プログラムもホールで開かれるのとまったく変わらない内容で、本当にすばらしい時間でした。
 終演後は舘野さんが用意してくださったワイン(今年のボジョレー!)やら、スタッフの方たちが用意してくださったお料理、持ち寄ったものなどを口にしながら楽しくおしゃべりがスタート。

 ここまではよかった。ここまでは、よかったのです。
 隣には舘野さん、同じ空間にはエッセイ「フィンランド語は猫の言葉」やフィンランドの絵本の訳者として知られている稲垣美晴さんがいらっしゃって、えらく緊張していたわたし。最初はそそとお手伝いをしたりしていたのに、稲垣さんと初めて言葉を交わしたときに箍が外れてしまい、お客に限りなく近いとはいえお手伝いだったのにもかかわらず、ワインをガブ飲み、えらく酔っ払ってしまい大失態。いま思い出しても、穴を掘る作業のためにスコップを持ち出したくなる気持ちになります。
 「フィンランド語は~」をどうしても読みたいと思っていて、復刊ドットコムに投票をしたときの祈るような気持ちや、復刊の連絡が来たときのうれしさ、本が届いたときの感激がフラッシュバックしちゃったもんだからさあ大変。どんなに復刊を楽しみに待っていたか、手にして読み始めたらあまりにもおもしろくて読み終わっちゃうのがイヤで最後の章を半年以上読まなかったこと、ストレートに“大ファンです!”って言っちゃうとか、「あこがれの人に猛烈アタックをしてる」みたいにしゃべりまくってしまいました。お帰りになるときには無理やり名刺交換させていただいたりして……ああ、もう! 自分の行動が信じらんない!
 稲垣さんはというと、たたずまいがとっても素敵で、わたしの不躾な物言いに始終ニコニコしてくださっていたのが印象的でした(本当は半ば呆れてらっしゃったのかも)。

 しかも。地元駅から自宅への帰り道、まっすぐ歩けないではないですか。最後の最後までアルコールで散々な1日となったのでした。もちろん、断酒を誓ったのは言うまでもなく。その後数日は猛省猛省の日々だったのでした。
 そう、大小にかかわらずこういう失態をした後日は、「アルコールの摂取量は本当に気をつけないと!」とちゃんと反省しているのです。ただそれが長く続かないってだけで……(最低だ)。いや、でももういい大人ですから、外で飲むときは本当に本当に気をつけようと、稲垣さんへ勝手に誓ったのでした。

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