ドイツ、フィンランドの旅 5

9日 どんより曇り。今って夏じゃないの? 寒いんですが

いよいよハンブルク

 朝起きぬけから寒い。
 泊まっていた部屋を引き払い、次の目的地ハンブルクへ移動開始。なんだけどー。デュッセルドルフ中央駅を9時34分出発の電車が、10時過ぎても駅に到着してないってどうよ。おまけに待ってる間、とうとう雨まで降り始める。寒すぎて、トランクから上着という上着を出して重ね着。それでもまだ寒い。
 ドイツ鉄道(DB)は、以前はそれは時間に正確で優秀な電車だったらしい。今はどこの評判を聞いても「平気で20分、30分遅れる。5分遅れは普通」とまで言われてしまっているんだからなあ。日本の鉄道でたまにある5分、10分くらいの遅れくらい、全然大したことないなと思う。

 やっと到着した電車に乗り込みハンブルクへ。乗った車両が喫煙車だったのは失敗したー。大荷物だから移動も楽じゃないので、結局ハンブルクまでずーっとそこに座るはめに。まあ、喫煙者からは少し離れてたので、あんまり不快ではなかったけど。
 14時ちょっと前にハンブルク到着。駅の大きさと人の多さから、ここが大都会の駅だとよく分かる。駅中のお店の充実ぶりにワクワク。ホテルのチェックインまでまだちょっと時間があったので、ロッカーに荷物を入れてから、駅中のスタンドで軽く飲む。スタンドの女の子が親切だった。
 しばらく駅の中のお店を覗いたりして時間を潰していたら、チェックインできる時間がとっくに過ぎていたので、Sバーンで移動。でも乗る電車を間違えてしまい、目的とは全然違う知らない駅に着いてしまう。慌てて降りて乗り換え、やっとホテルの最寄駅のLandungusbrücken駅に到着。目の前にひらける海と、とうとうブラームスの生まれ故郷に来たんだ!と思ったら感動が止まらない。でも、海風がすごく冷たくって、ゆっくり感動にひたってもいらんない。急いでホテルへ移動してチェックインを済ませ、部屋に入ってすぐにヒーターのスイッチを入れ、ベッドにもぐり込んでブルブル震えながら部屋が暖まるのを待つ。出かけようと思ってたのに、これじゃあ、寒くて無理! コート欲しい! さすがにこの時期コートは無理だと思ったので、明日は街で長そでのシャツを買おう。
 駅で買ったクロワッサンを食べて、よせばいいのにビールを飲む。移動で疲れた体にしみこむのが早い。こういうとき、湯船に浸かったら、体がすごくぽかぽかするのに、と思いながらシャワーを浴びて、まだもや震える体を抱え込みながらすぐに就寝。

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ドイツ、フィンランドの旅 4

8日 快晴。昨日とはうってかわっての天気。暑い。

観光DAY

 今日は観光の日。最初から決めていたのはケルン大聖堂を見ること。デュッセルドルフから大聖堂のあるケルンまでは、電車で30分くらい。気合が入っていたからか、普段の自分からはありえないくらいの早起きをしてしまう。
 さて、デュッセルドルフで泊まったホテル、ベストウェスタンは今回の旅で一番格安の宿泊費。なおかつ朝食付き。あまりの安さに部屋や朝食に全然期待してなかったのに、今回の旅で結果的に一番良かったホテルだった。とにかく朝食の品数が多く、めちゃくちゃ豪華だったのが印象的(ほかのホテルは品数も少なく、全然大したことない)。そのためか、「もしかしたら朝食追加料金取られるんじゃないか?」と心配になったくらい(笑)。でも、いくら取られようともいいやと、ここぞとばかりに食べる食べる食べる。しかもおいしい。苦しくてもう食べらんない!というほど食べ、各テーブルに置いてあった、魔法瓶のポットに入ったコーヒーを飲みながら、昨日は雨に降られてしまったので、今日はいい天気になることを祈りつつ、朝食を終える。
 部屋に戻って準備をしていたら、ホテルのすぐ近くを走る線路から電車が動く音が聞こえてきた。ベランダに出ると、空はすでに真っ青で晴れの予感。いそいそと部屋を出て、フロントのおじさんに挨拶をしてホテルを出発。

あこがれのケルン大聖堂

 以前ドイツ語を勉強していたときに読んだ本に、ケルン大聖堂のことが書いてあり、そのすばらしいゴチック建築の外観に見とれたときから、絶対行ってみたかった! そのころは、本当に行けるなんて思ってもみなかったなあ。
 デュッセルドルフを8時40分に出て、9時10分にはケルンに到着。近い近い。駅を出るともう目の前が大聖堂。その高さに驚かされる。買って持って行ったガイドブックには、中に入るまえに、大聖堂を一周してその大きさを実感してほしい、というような文章があったので、やってみた。柵や外壁、扉、ドアノブなどに施された彫刻ばかりに目が行ってしまい、実感と言えば「ああ、塔の工事やってるんだなー」ぐらいだったり。でも、ガイドブックにあった文章がなければ、一周しなかったと思うので、得るものは違ったとしても、周りを見てみて良かったと言える。
 駅から一番近い入口から中へ。ちょうどオルガンが演奏されていた。残響のすごさに体が震える。こんな中で音楽聴くと、天使や神様を信じちゃうよなー。ちょうどよく鐘もなったりしてて、幻想的。
 天井を見上げると、その高さには、驚きの声を上げることすら忘れてしまうほど。しばらく椅子に座ってボーっとしていたら、それまでガラガラだった椅子がほぼ満席状態に。外に出るに出られなくなっているうちにミサが始まったので、成り行きで参加することに。柱にあった電光掲示板に表示されている数字に気付く。実は、それがこれから歌う賛美歌の番号。これが分かった瞬間、荘厳な雰囲気が一気に吹き飛ぶ。でも終わってみると、合唱やらオルガンの演奏やら満載のミサに、ある種の幸福感には包まれた。
 ミサ終了後、塔を上ることに。
 幅1メートルもない螺旋階段をひたすら昇る。さすが築何百年も経ってるからか、石でできてる階段の真ん中がすり減ってそこだけ凹んでるよ。これ、怖いんだ、上ってると。バランス取りにくくて。それに、下り専用階段なんてないから、下りてくる人たちと、その狭い階段ですれ違うわけ。体格のいい欧米人とすれ違うときの怖さったら。必死で外側の壁に張り付いてじっとしてるときは、落ちないことを祈ったよ。階段を上るのは全然苦じゃなかったんだけど、すれ違うときは本当に怖かったし、これは苦だった。
 一番上まで昇ると、ケルンの街並を一望できるんだけど、あまりの高さに高所恐怖症でないのにちょっとだけ膝が笑う。
 高さに満足したら塔を降り、となりの宝物館へ。すんばらしい宝飾品の数々を丁寧に見てたら、それだけでお腹いっぱいになっちゃって、本当に食欲なくなりました。
 スーヴェニール・ショップでお土産を買って外に出たときは、まだお昼が過ぎてたくらいの時間。早起きすると、一日が長い! これからボンに移動するか、と思い駅へ向かうと、広場で陽気なサンバの音楽が聴こえてきたので足を留めて、しばし聴いていた。

予定変更してパレード見学

 デュッセルドルフとケルンの間には、旧西ドイツの首都ボンがあります。こちらもケルンからは本当にすぐ。当時の旅メモによると、ケルンのあとボンへ移動しベートーヴェンハウスを見学予定にしていたからか、駅からの地図が書かれていました……せっかく調べて書いといたのに、無駄になっちゃった。
 サンバの音楽を聴いていたら、ちょっとだけ小腹がすいてきたので、どこかで軽くご飯でも食べようかと思ってあたりを見回すと、道路の両側にある歩道にいつの間にか出来ていた人垣にビックリ。いったい何があるのかわからないまま、この人垣がどこまで続いているのか気になってしまい、そのままずっと人垣にそって歩くことに。途中のお店で瓶ビールを買い、それをそのままラッパ飲みしながら歩いていたら、すれ違ったお兄さんに"Oh Bier!"と驚きつつ、微笑まれる。いったいなぜ。みんな、やってるじゃない。まあ、女性でそんなことやってるのはわたしくらいだったわけだけど。
 駅から離れれば離れるほどに、人が多くなっていくのにとまどいつつ、しばらく歩いて行くうちに気付いた。昨日のデュッセルドルフでもそうだったけど、今日のケルンでは、男の子同士、女の子同士のカップルをものすごーくよく見かける。その多さは、前日の比じゃない。最初は微笑ましいと思っていたけど、あまりにも多いもんだから、もしかしてそういう場所に入り込んでしまった!?とちょっぴり心配に。でもそれは、遠くから聞こえてきた音楽と、たくさんの人を乗せたトラックが見えて、いろんな理由がはっきりと分かり、正直ホッとしました。
 つまり、そういう人たちのパレードだったんだな。しかもかなり大きな規模の。そういえば、前日の夜にホテルでテレビをつけてたとき、ニュースでそんな話をやってたような。
 通りすぎていくパレードを眺めていたら、だんだんおもしろくなってきてしまったので、結局ベートーヴェンハウスはまた今度ってことにして、結果的にはずっとケルンにいました。沿道で隣に立っていた男の子が、パレードしているそちらの方々にモテにモテていて、いろんな男性からいろんなものをもらってたのがちょっとおもしろかった。そんな中、バラを配っている男の子が寄ってきたので、その隣の子にあげるのかと思いきや、わたしにウィンクしながら差し出してくれたので受け取った。耽美な雰囲気のある色っぽい子だったわ(笑)。
 結局パレードを2~3時間も見てしまい、ケルンを離れたのは17時30分ごろ。ああ、ベートーヴェンハウスなんてもう閉まっちゃってる。クラシック好きのツーリストとしてどうなのさ、と思いながら、おとなしくデュッセルドルフに戻ったのでした。
 まだちょっと時間が早かったので市内を散歩するも道に迷い、いい加減歩き疲れてしまったので、たった一駅だけのためにUバーンに乗ってホテルに帰りました。自分がしでかしたこととはいえ、「ぎゃふん」って言いたくなった。
 駅のスタンドで買ったプレッツェル(パン)をおつまみに、500ml缶ビールを2本もグビっと飲む。日中の暑さと疲れもあり、体はドロドロで起き上がる気力なし。明日はハンブルクへの移動だっつーのに、そのままうたたねをかます。いま思えば、これが風邪をひどくした大きな要因だったわけだ。

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ドイツ、フィンランドの旅 3

7日 曇り。ちょっと寒いかな?(途中で雨に降られ、その後が大変なことに)

デュッセルドルフ、そしてデュイスブルク到着

 8時ちょっと前にホテルをチェックアウトし、8時10分のICEに乗車。一路デュッセルドルフへ!
 きれいな景色を見ながらの列車の旅は、なんとも楽しく優雅で……とはいかず、指定席を買ってなかったので、最初はどこに座っていいいのやら分らなかったこともあり、結局ずーっとデッキで景色を眺めていたのでした。それでも1時間30分ほどだったので、まったく苦にならず、途中通過するボンやケルンに思いを馳せていたら、10時前にデュッセルドルフに到着。ホテルのチェックインにはまだ早かったので、駅のロッカーに荷物を預け、駅前のカフェへ。
 寒かったので温かい紅茶で体を少し温めて、適当に時間つぶし。まだ2時間も余裕があったけど、どこで何があるか分らないので移動することに(ちなみにコンサートは14時30分から)。12時にはデュッセルドルフからREでデュイスブルクへ移動。そこから路線903に乗ってLandschaftspark Nordという駅で降り、目の前に広がる公園に沿って7~8分ほど歩いて会場に到着。
Traumzeitfestival


 この903という路線はずーっとバスだと思い込んでたんだけど、実は地下鉄(というかトラムみたいなもの? 最初地下でそのあとはすぐに地上をずっと走る)だということに現地に来て知る。最初バス停ばかり探していたので、今考えると、途中で電車だと気付いて本当に良かった……。

 なかなか見つからなかったインフォメーションをやっと見つけ、チケットを買って、あとはホールへ移動、コンサートが開始されるのを待つのみ!
ヴェーセンの公演チケットとフェスティヴァルのプログラム

コンサート

 ホールと明記されていたので、いわゆるコンサートホールを想像していたのに、入るのを躊躇してしまうほど、「ここって、本当にコンサートするホール?」と思わずにはいられない場所でした。
 前から7列目くらいの中央寄りに座り、ホール内を眺めると、一応雨除けはあるものの、座席後ろ半分は屋外。ステージの後ろには、なにやら大きな機械。普段のコンサートでは絶対に目にすることはないものが周りにありすぎて、お客さんはこんなところで集中できるんだろうか。でも、ステージ中央に置いてあるヴィオラ、ニッケルハルパ、ギターを見ていたら、そんなことも忘れてどんどん気分がハイに。
 女性がステージに現れ、Väsenのことをいろいろと説明。内容はわりと普通のことだったかな。それにしてもドイツでVäsenのコンサートを見ることになるとは。
 ……なーんてことを考えていたら、3人がステージに登場。ああ、本当に本当にVäsenだー!!

 まずRogerがドイツでコンサートをするのは、12~13年ぶりくらいだ、と言って演奏が始まりました。……感涙。ドイツにトリオを聴きに行って良かった。すでに発売されていたLinnaeus Väsenに収録されている曲をトリオで聴けた幸せ。もちろんそれだけじゃない、もう、いろいろと幸せ。
 以前も出したセットリストを再び。

En timme i Ungern
Björkbergspolskan
Hasse A's
Carl Linnaeus polones
Linnaeus Långdans/Kör i lunken
Eklundapolska Nr.3(のはず)
Johsefins Dopvals
Kapten Kapsyl
-Slängpolska efter Byss-Calle

 コンサート終了後、向こうからMikaelとRogerが歩いてくるのが見えたので、腕全部を使って手を振ったら、2人ともすごい素の顔で驚いてたのに笑ってしまった。これからご飯を食べるんだけど、一緒に行くか?とRogerが聞いてくれたので行くことに。途中からOlovと合流。4人でご飯を食べていたら、空がいつのまにか暗転して、風が冷たくなり、いつしか雨が。温かいお茶で体を温めてから、その場に残らなければならないというOlovに別れを告げ、先にホテルに戻るというMickeとRogerと見送る。そのあとトラム(というか地下鉄?)の駅へ向かっていたら、それまで小雨だったのに、途中ザーザー降りに。おかげで駅に着くころには着ていたパーカーがびっしょり。寒いのを我慢して、濡れたパーカーを脱いで半そででいました。濡れぼそったパーカー着てるより、よっぽど暖かかったし。でも、電車に乗ったら悪寒が……。
 ホテルに帰ってすぐに熱々のシャワーを浴びて、ベッドにもぐったのは言うまでもなく。ライヴの様子や3人と話をしたことなど、うれしくてニヤニヤしちゃうような幸せを反芻しつつ、風呂上がりに胃へ流し込んでいたビールも手伝って、あっという間に就寝。明日はケルンとボンを観光予定。

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ドイツ、フィンランドの旅 2

6日 アムステルダムはあんまり天気良くない。そのうち雨に。フランクフルトは、到着したのが夜中だったからか、寒かった。


経由地オランダに到着

 成田空港をほぼ時間どおりに出発し、フランクフルトへの経由空港であったオランダの首都アムステルダムの、スキポール空港に予定時刻通りに到着。
乗って行った飛行機。KLM航空

ここを利用するのは初めて。売られていた雑誌が、英語だけではなくてドイツ語やオランダ語なのを見て、やっとヨーロッパに到着したんだと実感して、気分はウキウキ。これでドイツ(フランクフルト)に入る準備(気持ちだけ)は万端。ちょっとした買い物までしちゃって、結構余裕。あとはフランクフルト行きの飛行機に乗るだけ。
スキポール空港

 乗り換え飛行機が出発するゲートに向かう途中外を見ると、19時を回っていたとはいえ、結構薄暗い。フィンランドよりは南に位置してるんだから、それも当り前か。でもよーく見ると、窓に打ち付ける雨粒が。立ち止まって外を眺めると、低く広がる雨雲。どうやら外は天気が悪そう。出発に何も影響がないといいなと思っていたら、不安的中。飛行機の出発が、予定より30分遅れていることがわかりました。

予定が狂ってパニック

 考えてみれば、いままでの旅行で飛行機の出発が遅れたことはない、というのは幸運だったのかもしれないと思ったのは、さらに1時間遅れるアナウンスがインフォメーション・ボードに表示されたときでした。このとき、予定では20時ちょうどにオランダを出発して、21時15分にはフランクフルトに到着するはずだったのです。それが30分遅れ、1時間遅れ、1時間30分遅れることが分かったときは、ちょっとしたパニックに陥りました。この日はフランクフルトからデュッセルドルフへ移動して、そこで宿泊する予定にしてました。それが、ただでさえ予定通りに行ったとしても真夜中に到着することになっていたのがこんなに遅れてしまっては、移動すらできない!
 あとから考えてみると、フィンランド行きの飛行機が遅れることは想定していたのに、どうしてこのトランジットで遅れることを全然想定しなかったのか、自分が不思議。
 どうしようどうしようと、ひとりでパニックになってしまったけど、2時間遅れることがわかったときには、移動は諦めてフランクフルトに宿泊することにしたのでした。しかも、パニックで頭が全然回らなかったわたしは、航空会社にクレームを言う、ということすら思いつかず、知り合いを頼ってフランクフルトに宿を取ってもらったのでした。情けない。
 最終的には2時間30分遅れて、スキポール空港を出発しました。

やっと到着したフランクフルト

 スキポールを出発して約1時間ほどでフランクフルトに到着。なかなか出てこなかった荷物をやっとピックアップして時計を見たら、すでに真夜中を30分ほども過ぎているではないですか……。宿泊を予定していたホテルに電話をして、「飛行機が遅れて移動できなくなってしまった。今日は行くことができない。でも明日は絶対行くから、キャンセルしないで!」と訴えてから(メッセなどが重なっていた場合は、断りを入れておかないと、勝手にキャンセルされてしまうことがあるそう)移動を開始。とはいっても真夜中。空港から市内までSバーンを使って移動しようかと考えていたけど、電車が動いているのかすらわからなかったので、結局タクシーで、取ってもらっていたホテルまで乗り付けました。
 このタクシーが怖かった。空港から市内までを走る高速を、ものすごいスピードで走る走る。体験したことがない速さに、取っ手にしがみつきスピードメーターを見てみると、180kmを指している針……う、うそでしょ!? 見間違いかと思って、何度も確認したけど、どうやら本当に180kmを指してるっぽかった。暗闇でスピードを出されるのは、こんなにも怖いものかと、思わず体中に力が入ってしまいました。でも、ここまでくると、だんだんおかしくなってきてしまい、ちょっとしたハイな気分に。ほどなくして、目的のホテル(フランクフルト中央駅のすぐ横)が目の前に。
 相当疲れていたのか、足元がおぼつかない状態でホテルにチェックイン。最後の力を振り絞ってシャワーを浴び、倒れこむようにベッドに突っ伏した途端に睡魔に襲われ、明日はVäsenのコンサートなのに、無事に見ることができるのか不安がよぎりつつも、そのまま眠りについたのでした。

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ドイツ、フィンランドの旅 1

※先にカウスティネン(フィンランド)の記事をエントリーしていましたが、いったんはずしました。『個人の旅記録なんて誰も読まないかなー』なんて思っていたのですべてを書くことは躊躇していましたが、何人かの方に「旅行の話、全部書かないの?」と言われ、たしかにこのブログは個人のメモも兼ねているのだから、と思い切って全部の行程を最初から書いてみることにしたためです。ご了承ください。そのときがきたら、アップしなおします。
※旅を思いついたところから書き始めるので、長いです。

では。


あっという間に決まったドイツ周遊

 今年も夏にフィンランドへ行こうと決心したのは、昨年の夏、カウスティネンを去るときでした。ほかに行きたい国もあったので、そこと組み合わせる予定だったのが、なぜかその国をやめてドイツに決定。
 そのきっかけは、Väsen。
 そうだ、7月7日にドイツでコンサートの予定があるんだった!
 しかもカウスティネンのフェスティヴァルの時期ともそんなに離れてないじゃないか!
 これはチャーンス!
 じゃあ、もう決定! 今年はドイツに行こう!

 単純だけど、本当にコレだけで決定。最初は、はじめに考えてた国にもまだ行こうと思っていたので、ちょろっとドイツに立ち寄るだけのつもりが、せっかくドイツに行くのだから、ブラームスの生まれ故郷ハンブルクは見て周りたい、写真で見たときから行ってみたかったケルン大聖堂もはずせないし、ライン川見たい、ノイシュヴァインシュタイン見たい、あっちにもこっちにも行きたい、と思い始めてしまったので「今回はじっくりと周ろう」ということにしました。
 最終的には、もともと行きたかった国を今回はあきらめ、今年はドイツとフィンランドを周る旅となったのでした。

スケジュール立て 難航

 初めて一人旅をしたときから、ツアーではなく、往復の航空券のみ旅行代理店から購入して、あとは全部自分で手配する、という方法を取ってきたので、もちろん今年もそのつもりで準備をしはじめました。が……昨年から急激に高騰していたユーロが、とうとう160円を越え、あっという間に165円。ホテルを手配するにも、ドイツ―フィンランド間の飛行機を手配するにも、かなりのお金がかかってしまうことになり、どうも「決定」ボタンを押すのに躊躇(自分の稼ぎが少ないのが、こんなに恨めしいと思ったことはない 笑)。ちょうど出発前に片付けていかなければいけない仕事がちょっとキツかったこととも重なり、なかなか安宿・安チケットをゆっくりじっくり探すことができず、すべての予約が終了したのは出発の2日前。
 手配がこんな状態だったので、どう周るか、20日間の行程が確定したのもこのときでした。
 ちなみに、前もって日本で用意していった交通手段関係のチケットは、コレ。

●日本―アムステルダム―フランクフルトの往復航空券
 これがないとドイツに行けないし。KLM航空。
●ジャーマンレイルパス(10日間フレキシータイプ)
 10日間であれば、自分の好きな日を選んでDB(ドイツ鉄道)乗り放題チケット。
●ハンブルク―ヘルシンキの片道航空券
 Blue1というフィンランドのLCC(ロー・コスト・キャリア)。
●ヘルシンキ―ケルンの片道航空券
 GermanwingsというドイツのLCC。

 VR(フィンランド鉄道)のチケットは、飛行機が遅れるかもしれないと思い、現地の窓口で買うことにしたので、今回は日本で手配しませんでした。

こんな予定を立てました

6日 日本出発→アムステルダム(オランダ)→フランクフルト(ドイツ)到着。DB(ドイツ鉄道)でデュッセルドルフに移動(デュッセルドルフ泊)
7日 デュッセルドルフからDBでデュイスブルクに移動して、Väsenのコンサートを聞く(デュッセルドルフ泊)
8日 デュッセルドルフからDBでケルンに移動して観光。その後ボンに移動して観光(デュッセルドルフ泊)
9日 デュッセルドルフからDBでハンブルクに移動(ハンブルク泊)
10日 ハンブルク市内にあるブラームス博物館、ブラームス関連の場所を一通り周るなど、観光(ハンブルク泊)
11日 ハンブルク→ヘルシンキ到着。VR(フィンランド鉄道)とバスでカウスティネンに移動。23時から始まるナイトカドリーユを見る(カウスティネン泊)
12-14日 カウスティネン・フォーク・ミュージック・フェスティヴァル
15日 カウスティネンからバスとVRでヘルシンキに移動(ヘルシンキ泊)
16日 スオメリンナと市内観光(ヘルシンキ泊)
17日 お昼まで市内観光。ヘルシンキ―ケルン到着。DBでトリアーに移動(トリアー泊)
18日 ルクセンブルクまで足をのばし観光。トリアーに戻って観光。
19日 トリアーからDBでミュンヘンまで移動(ミュンヘン泊)
20日 ミュンヘン市内観光。知り合いと会う約束(ミュンヘン泊)
21日 ミュンヘンからDBでフュッセンに移動。ノイシュヴァインシュタインを見る(ミュンヘン泊)
22日 ミュンヘンからDBでフランクフルトに移動(フランクフルト泊)
23日 フランクフルト→アムステルダム到着。アムステルダム観光(機内泊)
24日 日本帰国

ルクセンブルクとアムステルダム(オランダ)について

 どちらも行く気は全然なかったのですが、結果的には両方とも行ってきました(と言えるほど、時間はそんなにとれなかったけど)。
 トリアーというドイツの西南にある町に行くことを決めたとき、地図をみたらすぐ横がルクセンブルク。調べてみると、電車で1時間もかからない距離ということがわかり、じゃあせっかくだから世界遺産の町を見に行くかー!と決めました。
 ドイツまでの往復航空券を購入の際、帰りのフランクフルト発アムステルダム行きが(普段からすると)超朝早いもので、8時すぎにはアムステルダム着。その上日本へ出発する飛行機が午後3時ときたもんだ。6時間も無駄に空港にいたくない。旅行代理店の人に「この時間、もったいないんで、アムステルダム観光したいんですけど、可能ですか?」と聞くと、可能との返事! じゃあ、観光しようと、決めました。
 どちらもドイツとは国境が接している国。それなのに陸続きでこんなに言葉が変わるのか、と感動。特にドイツとルクセンブルクはドイツ語からフランス語だからね。国境を越えて言葉が変わった瞬間は、妙にエキサイトしてしまいました。

通信手段はどうしよう

 今回立てた旅は、自分でもなんでこうなったのか分からない、20日間。ひと月の半分以上も日本にいない。さすがにこんなに長く旅でいないとなると、仕事のことが気になる。
 ラップトップを持っていこうと考えてたけど、実際にかばんに入れて持ってみると、数年前の製品に比べれば格段に軽くなったとはいえ、やっぱり重い。
 それならば、と海外で使える携帯電話を空港で手配するか、と調べてみると、普段からあんまり使わない身からすると、結構値が張る。向こうで緊急に連絡する必要が出てしまった場合に困るかと思ったけど、カウスティネンのような田舎ならともかく(カウスティネンの住民に公衆電話のありかを聞いたら、この辺にはないと言われ、大変困った昨年の夏……)、ドイツには公衆電話が結構あることを知ったのでそれを使えばいいし、どうしても電話機を見つけられなかったら通りすがりの人に助けてもらえばいいや、と思いそれもやめに。
 じゃあ向こうのネットカフェを利用するか、とも思ったけど、仕事で使っているメールが受信できないことと、日本語可(読むだけでなく、書き込みもできる)PCが入ってるネットカフェを探すのは一苦労だろうと、それもやめに。
 じゃあ、どうするか。結局一番いいのは自分が持ってるラップトップを持っていくことかな、という結論に達しました。自分が重いのを我慢するだけなんだから!と言い聞かせ、最後の最後まで迷いながらも、最終的にはラップトップを持っていくことを決断したのでした。

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