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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その5

12日 朝から雨。夕方ごろ晴れる。かなり肌寒い。

 8時ごろからバケツをひっくり返したような大雨が降りはじめ、このすごい音で目が覚める。
 朝食時には雨もやみつつあったので、少し安心。テーブルにつくと、あとからHansもやってきて、一緒にご飯を食べる。ほかにフィンランド人のご夫婦も一緒。ひとつのテーブルで、フィンランド語、スウェーデン語、英語、日本語が飛び交う。
 結局出かけるときまで雨はやまないまま。MAに日本でいう100円ショップで購入したような使い捨て雨合羽をもらい、それをかぶってフェスティヴァル・エリアへ。アリーナで行われていたMaailma Tanssii ja Soiという演目を見る。そのあと13時30分ごろにNordik TreeのコンサートがあるLukion saliへ移動。ロビーには結構な人がすでに会場を待っている。でも、今日は前の方に座れそうな予感。
 会場はやはり10分くらい前。前から3列目の席をゲット。Nordik Treeは、フィンランド人のArto Järvelä、Timo Alakotila、スウェーデン人のHans Kennemarkのトリオ。80年代にKaustinenのフェスティヴァルで出会って以来、セッションを楽しんだりしていたよう。そして、少し前にはスウェーデンでライヴをやったりしていたらしい。CDを作ってほしいという要望が強くなって作ったアルバムが、Nordik Tree。フィンランドやスウェーデンの伝統音楽が好きならば、このアルバムはぜひ聴くべき。
 では、セットリスト。

■Nordik Tree, Lukion Sali, Kaustinen folk music festival, 12.07.2006
Ornunga
Inka
Islossning
Hotschott
Könsti ton
All den Kärlek
Poppis
Jeppo & Övermark
Triple polonaise
Lyckönskan

 もうすでに彼らのアルバムを持ってる人は気づいた? このセットリスト、CDに収録されている曲順とまったく一緒。
 Nordik Treeの音楽は、トラッドのようでもあるし、ジャズのようでもあるし、クラシックのようでもある。古い音楽のようでもあるし、新しい音楽のようでもある。改めて、今まで聴いたことがなかった音楽だと思う。その肝となるのはやっぱりTimoのハーモニウム。絶妙なコード進行に詠嘆。

 ライヴ終了後、Artoと少しだけ話をし、次にライヴを控えているMaria Karaniemiがリハのためにホールに入っていくのを偶然見届けてから、KansansoitinmuseoへHyperboreaのライヴを聴きにいく。Ristiäislauluという曲がすごくよくてすっかりメロディを覚えてしまっていたので、これで歌詞がわかれば一緒に歌ったかも。メロディが凝っているわけでもないのに、本当にすてきな曲。
 再びアリーナ。会場横にあるKaustinen musiikkilukioが今年創立30周年の記念の年だったらしく、現在通っている学生たちによるコンサートが開かれていた。この学校ではMauno Järveläも教鞭をとっているらしく(学校に張ってあったポスターを見たとき、講師陣にMaunoの名前を発見)、学生と一緒にステージにあがり演奏をしているのを見る。
 またまたLukion saliへ戻り、今度はMaria Karaniemiのライヴを聴く。彼女の演奏で一番好きなのは、Timoと組んだときだな。saliを離れたとき、偶然Timoと会い、Nordik Treeの感想を伝える。話の流れから、彼がオペラを書き上げていることを知る。初演は8月だとか。ほかにも依頼されている仕事がたまっているようで、「これからちょうど(手に持っている)この楽譜をコピーしに行くところだったんだよ」というので、話を早めに切り上げて別れる。
 Cafe MondoにてJordのライヴを見る前、昨年同じお家にお世話になっていた男性と偶然会場で会い、「ヴァイオリンの天才少年の演奏を聴くことができるよ」と話を聴いていたので、Jordを聴きつつ、その奥(というか隣)にあるViinitupaでその少年の演奏を聴く。隣に座ったおじさんがフィンランド語でのMCを英語にわざわざ訳して(といっても、超大雑把に)教えてくれて、「まだ10歳だよ? すごいよな」「確かにすごいですよね」と会話をしながら演奏を楽しむ。とはいえ、まだまだ子ども。でも演奏はかなり立派。彼の演奏にフィンランド人はスタンディングオベーションで絶賛したそう。

 21時から始まるTsuumiのコンサートのために、Kaustinen-saliへ移動。すると長蛇の列。いい席に座れる可能性は低い。このKaustinen-saliでのコンサートは別途チケットを購入していなければならないんだけど、座席が指定されているわけではないので、結局は早い者勝ちの自由席。
 いざ中へ入ってみると、想像していたよりも大きなホールだったのに驚く。そして、余裕でちょうどいい場所に座る。昨日も思ったけど、村民が4500人ほどの村なのに、こんなに立派なホールがあり、それがちゃんと維持できているという事実に心底驚く。
 Tsuumiは1998年に結成された、ダンスチームと音楽チームから成るユニットで、ダンスチームは男女4人ずつ、音楽チームはTsuumi sound systemとして独立して活動もしている。最近ではMaunoがTsuumiの音楽にかかわっているようで、今日もしょっぱなはJärveläさんたちによる典型的なカウスティネンのトラッドの演奏にあわせて、まずTsuumiの女性陣、入れ替わって男性陣がダンス。いわゆる伝統的なダンスチューンばかりが演奏されているのに、踊りがカップルダンスではないというのがおもしろい。
 ステージ後方にスタンバイしていたTsuumi sound systemのメンバーによる演奏が始まると、全身鳥肌。なにこれ。CDで知っているTsuumiの音楽とぜんぜん違う。はるかにライヴ演奏がいい。思っていた以上にアンサンブルが緻密で、音楽がものすごく濃い。正直言って、ダンスよりもバンドばかりに目がいってしまい、ダンスどころじゃなくなってしまう。そして何より、人物が判断できないくらいの暗がりの中でも、それとわかるほどめちゃくちゃきれいな金髪が目立つフィドルのTommi Asplund、彼の演奏技術は相当高く、気づくとTommiばかりを見てしまい、彼が奏でる音を耳で追ってしまう。
 Tsuumiは(CDで知ってたけど)すごくかっこよく、ステージ栄えするバンドなのだと、強く思う。明日のTsuumi sound systemとしてのライヴは絶対絶対聴かなければ。

 昨日と同じSoittosali前にてNordik Treeの公開リハーサルが行われるのを知り移動。一日に二回もライヴを聴くことができて幸せ。結局2時間近く演奏を聴く。この2日間で6時間近くもNordik Treeの音楽を聴いたことになるのか。そりゃ贅沢以外のなにものでもない。
 24時からGjallarhornのライヴがあるので、Klubiに移動。低音部がディジェリドゥからコントラバスフルートに代わり、バンドの雰囲気も変わったような印象。コントラバスフルートの音も、ひどくバンドになじんでいる。もちろんコントラバスフルートは先日来日していたGöran Måsonで、日本で見たGöranとはかなり違う。なかなかかっこいい。
 会場を見渡してみると、Hansもいるし、Timoもいるし、Maria Karaniemiもいる。なんだか同じ場所にこんなにもミュージシャンがいるっていうのが、なんだか不思議な気分。
 家までの帰り道、Nordik Tree半分、Tsuumi半分が頭を占領。眠さと、それ以上の肌寒さもあってかひどく頭が冴えている。

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