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思い出した出来事

 去年カウスティネンから帰ってきてJPP熱がヒートアップしてたのは7月の下旬。なもんで、入手困難な初期アルバムのCDかLPが何とか手に入らないもんだろうか、と検索しまくっていました。
 すると、在庫があるというフィンランドの中古レコード屋さんを発見。そこは英語サイトが用意されていないところだったので、一生懸命辞書引き引き、フィンランド語を解読しながら注文方法を読み、注文フォームに書き込み、送信ボタンを押したのです。少量のフィンランド語でしたが、解読に相当な時間がかかり、ボタンを押したあとはぐったりしてしまい何もする気になれなかった、ということを思い出しましたね、2005年8月14日に出したその注文の返事を2006年8月27日に受け取って

 1年の時を経て届く返事。

 ここはなんて海ですか。インターネットという海ですか、そうですか。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その7

14日 晴れ。晴れは晴れでも昨夜からかなり涼しい。

 Hansが今朝早くカウスティネンを離れてしまうのは本人から聞いていたので、見送りに絶対起きよう!と心に決めたのは、昨日の朝。しかもちょっと驚いたのが、Timo Myllykangasが車でピックアップにやってくるという。
 目が覚めたのは、Timoの声が部屋の外で聞こえたとき。時計を見ると、Hansが言っていた時間より5分ばかり過ぎている。超特急で着替え、髪の毛をひっつめ、部屋を飛び出したら、ちょうどTimoが運転席に乗り込んだところ。裸足で車に駆け寄るとHansがわざわざ降りてきてくれてハグ。二言三言話をして、Hansは再び車へ、わたしは玄関へ。車を見送ろうと手を振ると、中に乗っていたほかの人たちも手を振り返してくる。そこで気づいた、Einar-Olavも車の中にいたことに……! そっか、Einar-Olavも今日カウスティネンを離れちゃうんだと思うと、昨日のライヴを思い出して少し寂しい。
 車が出て行くのを見送ったあと、ホストファーザーのMAに「今日は10時からのプログラムを聴きにいきたいから、朝食を少し早めにしてもらってもいい?」と尋ね、OKをもらう。朝食の時間までまだ時間がだいぶあるので、再び睡眠。

 いつもより30分早く朝食を食べ、出かける支度をしようと部屋へ戻ると、ここ2~3日で習慣化されたかのように、下から2番目の女の子Lと一番下のやんちゃ坊主Rが部屋をノックする。招き入れると、うれしそうな顔をするので、拒むことなんか絶対できない。まだ少し時間があるので、まあいいかと遊んでいたら、もう出かけなくてはいけない時間がとっくに過ぎてることに気づき、大慌てで支度、飛び出すようにお家を出発。結局10時から始まるプログラムに、10分ほど送れて到着。目的は、Soittosaliで行われるJärvelän pelimannit ja Pikku-Aapit。JPPはJärvelän pikkupelimannit。フィンランド語で「小さな」を意味するpikkuが入るわけだけど、ここには入ってない。ということは、もしかして、Järveläさん大集合なのでは?と思い行ってみたらビンゴ。ステージにはMaunoを始め、Arto、Alina、Esko、Artoパパなどなど見知った顔がずらりと並んでいる。朝早いからそんなにお客さんもいないだろうと思いきや、会場は80ほど用意された椅子はいっぱいで、立ち見も出てる。やっぱり人気なんだな。演奏された曲は、おそらくカウスティネンの伝統音楽。朝から楽しい音楽を聴けて幸せ。

 11時に終わり、この時間帯はとくにコンサートもやってないことから、お家へ戻る。再びLとRと一緒に遊び、しばし二人とコミュニケーションを取る。
 それにしても、子どもってどこの国も同じなんだな。まだあまりたくさんの言葉をしゃべることができないRが一生懸命何かを言っているのでよーく聴くと、自分の名前をフルネームで言っていることが判明。それが舌足らずで、日本人の子どもも日本語覚えたての最初のころはこんなしゃべり方するよなーと思うと、なんだかおもしろい。
 Rがムーミンハウスを出してきたので、それを使って一緒に遊び、ムーミンの絵本も見せてもらう。そして、さらにムーミンのオリジナルソングが収録されたCDも聴かせてもらう。2~3曲聴くとフォークミュージックが流れてきたので「あれ?」と思っていたら、ホストマザーのMO曰く「Maunoが参加して、フォークミュージックを演奏してるの」。ええー! なんだってー!! たしかにクレジット見ると、Maunoの名前が。ムーミンのCDで演奏しているMauno。し、知らなかった……。これは買わねば。

 去年自転車で近辺を散策したように、今年もできたらいいなーと思い、本当にわがままばかりで申し訳ないと思いつつ、MAに自転車を貸してほしいと伝える。
 すると、長男のPが隣に住むおばあちゃんの自転車を持ってきてくれて、MAがわたしでも運転できるよう、サドルを目いっぱい下げてくれる。家にいたみんなが玄関付近でワイワイやってるのを、家族が出かけるのだと思ったのか、一番下のRが洋服を着替え、ニコニコしながら帽子をかぶり、靴を履こうとしている。そんなRにHei hei!と声をかけ、自転車に乗って出発。ごめんね、R。
 去年と同じコースを取るつもりが、看板を見落としてしまい、カウスティネンの村境まで来てしまう。隣の村の名前が見え、そのまま通り過ぎようとしたとき目に入ったのが、カンテレのイラスト。村のシンボルなのか。隣の村に入って振り返ると、カウスティネンの看板が出ている。同じようによく見かける村のシンボルと一緒に村の名前がある。ちなみにカウスティネンはフィドル。
 気を取り直して、去年と同じ路をたどり、橋を渡ってMaunoの学校へ。しばし休憩したあと、T字路へ出る。あまり時間もなかったので、そのままカウスティネンの中心地へ向かうことに。その途中で見つけたのが、この道路の名前。知らない間にJärveläntieという路を通っていたらしい。

 そのまま走りに走って、フェスティヴァル会場に到着してみると、アリーナでTony O'Cnnell & Mandy Morrowというアイリッシュの二人組みによるライヴが始まっていた。いろんな国の音楽がこうやって聴けるのは、違いを比べることができたりして、本当に楽しい。
 先日会場でお会いしたKさんがイチオシのバンド、Kiharakolmio(キハラコルミオ)のライヴをPelimannitaloで聴く。Kさんが絶賛していただけあり、とてもすばらしい! まだまだ知らない、良いバンドがたくさんあるのだと改めて思う。Kiharakolmioは、ハーモニウム、アコーディオン、ベース、ギターの4人組。個人的には北欧伝統音楽にはまったのが弦楽器がきっかけだったこともあり、フィドルが入っているバンドを主に聴きつづけてきたけど、Kiharakolmioは、自分的に新しい発見。音楽はグルーヴがわかりやすくてノリやすいし、聴いていて楽しい音楽。また生演奏を聴きたい。

 Kiharakolmioのコンサートのあとは、いつものように適当に会場をブラブラする。ただ、この日は他の日と違って、えらく寒かった。涼しい、ではない。「寒い」。確か今は夏だったはず……ということは、カウスティネンでは通用しない。昼間は晴れて日差しも結構強いので暑いが、日陰に入ったり風が吹いたりすると、結構涼しくて、日本なんかにいるより遥かに快適。でも、それは昼間だけ。夜になると急激に気温が下がり、半そでではいられないほど(それなのに、どうしてフィンランド人たちは半そでとかノースリとか、キャミ、裸足にサンダルというような、典型的な夏の格好でいられるのか、本当に不思議)。キャミの上に羽織っていたカーディガンの上に、持っていた厚手の綿でできた長袖シャツを着て、それでもまだ寒いので、トレーナー地のパーカーを着る。それでもまだ寒いので、首にスカーフのようなものを巻く。気持ちは晩秋。

 これで寒さはしのげても、まだ涼しいと感じてしまうくらい。日本の夏ならウェルカムな気候なのに。顔をスカーフで半分隠しながら会場内を歩いていたら、聴き覚えのある音、音楽が聴こえてきたので、ふらふらっとそちらへいってみると、一昨日昨日と変わって、今日は同じSoittosali前でAmpron Prunniが演奏しているではないか!! 吸い寄せられるように近づき、しばらく演奏を聴いていた。少なかったギャラリーはいつの間にか増え、周りを取り囲むようになっている。その中で一人、演奏が終わるとArtoの前に駆け寄ってはしゃぎながら拍手をする女の子が。見た目と雰囲気から察するに、Artoの娘であることは間違いない。JPPのドキュメンタリーに出てたあの子なんだろう。大きくなったね……。

 寒さからくる震えに耐えて音楽を聴いていたものの、30分もすると、我慢ができなくなってきてしまう。それでもしばらくは聴いていたけど、それも限界となり、結局Ampron Prunniの演奏中にその場を離れてしまうことに(もう、本当に寒くて寒くて……)。聴きたかったコンサートは他にもあったのに、今日はこれで会場を離れる。

 家に帰ってシャワーをあび、部屋へ戻ろうとしたら、リビングにいたホストファーザーとマザーに呼び止められる。「日本を紹介する番組やってるわよ!」というので、興味津々で画面を覗くと、鎌倉の大仏さまが映っている。おもしろそうなので一緒に見ることに。これは「旭日の暁」という日本語タイトルがちゃんとついている、フィンランドの国営放送YLEが放送する日本を紹介する番組(フィン語タイトル:Nousevan auringon kajo)。わたしが見たのは、全9回あるうちの第6回目放送のようだ。サイトに写真があった。鎌倉の大仏と、東京都水道局。そのほか見たのは、京都の町並み、原宿、(たぶん)代々木公園、(たぶん)某有名楽器店、お台場のヴィーナスフォート。
 びっくりしたこと。それは、スターバックスなどではおなじみの、テイクアウトの際、カップが熱くないように付けてくれる段ボール紙でできたアレ、あるじゃないですか。あれはジャパニーズ・デザインなのだと紹介されていたんだけど、それ、本当なの? 「うーん……そうなんだっけ? えーっと、そのものの名前も知らないのに、何て答えていいやら……」と一人迷宮に入ったような気分に。
 見終えたあとは、ただ番組を見ていただけなのに、ぐったりと脱力。「外国で日本を紹介する番組を見るって、すごく不思議な気分だよ……」というと、MAもMOも笑っていた。

 いやはや、しかし。まさかフィンランドで日本を紹介する番組を見ることになろうとは。どんな番組なのか、さわりだけでも見てみたいという人は、「旭日の暁」サイトの上にあるVideotをクリック。RealPlayerで30秒から3分弱程度の映像が見られます。神奈川県が誇る参議院議員の元フィンランド人(すでに日本に帰化してるから)ツルネン・マルテイさんもこの番組に出演。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その6(つづき)

 ここまでは、わりと間の時間ほとんどなく午後から音楽ぶっ続けで聴いていた感じ。Tandemのコンサートが終了したのが21時ちょっと前。22時30分からFriggのコンサート。時間が空いたので、適当にブラブラしながら、ここ数日でぼろぼろになったプログラムを眺めていると、Klubiで元JPPのベーシスト、Timo Myllykangasがライヴをやるようだったので、聞いていた評判は本当なのか確かめに行くことに。
 その評判の前にひとつ。Timoは2004年(だったかな?)以降、JPPを去り、Trokaを去り、ほかにも参加していたバンドを去り、そのあとにソロCDを1枚リリースしたものの、楽器を一切やらなくなったらしい。去年、YökatrilliでAntti Järveläの代わりにベースを演奏したのは、きっとなんか特別な事情があったのかもしれない。それ以外ではまったく楽器を演奏しなくなったのだとか。詳しいことはよく知らないけど、たしかMyllykangas家も楽器を演奏する一族としてけっこう有名なはず。それなのに、Timoは楽器をやめてしまって、いったい何を?と疑問に思っていたら、どうやら彼は歌を歌うことにしたらしい。バンドの音楽はトラッドをベースにはしているものの、Snekka以上にロックしている。聞いていたTimoの評判とは彼の歌についてで、知り合いは「バンドの音楽はいいんだけど、Timoが歌っている歌詞はクレイジー」と評していた。クレイジーな内容って、どんなんだか興味がわくゾ。とにかくすごくへんてこりんな歌詞らしい。えー、と。歌唱力? ねっとりとまとわりつくような歌い方、とだけ言うことにする。

 少し蒸し暑さを感じるKlubiを一度出て、近辺をウロウロ。夜になると冷えてくるし、Klubiの周りは林なので、空気がとても澄んでいる感じ。この中で呼吸をしていると頭の中がすっきりする。22時前にKlubiに戻ると、去年と同じ場所にAntti Järveläの車があるのを発見(Anttiがそばに立っていたからわかっただけ)。友達らしき男の子たちと話をしていたので、話しかけることはせずにそのままKlubi内へ入る。Timoのライヴはまだ終わってない。入り口横にあったテーブルに座り、音楽を聴くとはなしにボーっとしていたら、入り口からTimo Alakotilaが入ってきて、わたしに気づいてくれて少しだけ話をする。Timoはそのままアルコールが飲めるエリアへ入っていき、わたしはまたしばらく同じ場所でぼけっとしていた。Myllikangasのライヴが終わり、Friggのライヴのために席を取る。一番前ゲット。障害物なくステージを見ることができるっていうのはすばらしい。腕を大きく上に伸ばしてカメラを構えなくてもいいのもすばらしい!
 しばらく待ったあと、Friggのコンサートが始まる。実は気になっていたのが、Tsuumi sound systemでも演奏していたTommi Asplundは、Friggの正式なメンバーなのかどうか。Tommiは、去年Friggのコンサートでフィドルメンバーのセンターに立って演奏していた。アメリカでFriggを見たときはTommiはいなかったし、カウスティネンへ行く前にAnttiからゲストと一緒に演奏する話を聞いていたので、てっきりTommiがそうなのだと思っていた。しかも、今回は22時からアリーナでTsuumiのライヴが重なっていたので、やっぱりTommiは正式なメンバーじゃないのかも、と納得していたのに、Friggのライヴが始まる直前にTommiが現れ、急いで駆けつけてステージに上がったところを見ると、正式なメンバーになったのかも、と思わずにはいられない。Tommiだけじゃない。ステージには見たことがないメンバー(中には見たことがあるメンバーも)がいる。しかも、人が増えてるし。アメリカで見たときは7人だったのに、今回は10人もいるし……。何がどうなってるのやらさっぱり。Larsen兄弟の弟、Germundがいないしますます混乱。
 いやいや、そんなことはおいといて。まずはセットリストを。最後の方は新曲も多く、タイトルがわからないものばかり。

■Frigg, Klubi, Kaustinen folk music festival, 13.07.2006
Cross-country
Meltaus
Solberg
Toulpagorni
Halling
Keidas
Jokijenkka
Paavid ja Minä
Särö
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Economy class
Fantomen
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Mäenpään Heikin Valssi

 結果的に2004年から毎年Friggのライヴを見ていることになるけど、彼らの成長振りは目を見張る。初めて見たときは、やっていることのユニークさや演奏のうまさはあるものの、ベテランに囲まれていたからか、まだまだ若いなという印象だったのに、去年カウスティネンでライヴでは音楽や彼らの技術に磨きがかかっていて、すごくいいバンドになったなと思ったもんだけど、今年はそれ以上の驚きが。音楽がなった瞬間、違うバンドを聴いているのかと思ったくらい、音楽がよく練られているし、人数が増えてギターやパーカッションが加わったからか、音は厚みを持っているので、急速にバンドが成長しているのを感じる。若いってすばらしい。スピード感たっぷりに始まったライヴはそのままに、あっという間に1時間経ちライヴが終了。まるで夢でも見ているかのような気分でKlubiを出る。

 Anttiと話ができないか、出てくるのを少し待ってみたけど、アリーナでカドリーユが始まってしまうので、後ろ髪ひかれる思いでアリーナへ。まだ演奏は始まっていなかったし、きっと演奏のために現れるだろうと思ったので、ダンスに参加する人たちがアリーナに集合しているのを眺める。
 しばらくしてJPPが紹介されてステージに登場。……あれ? Anttiがいない。別人がベースの前に立って、楽器を構えている。その人はMaunoの長女のだんななんだとか。結局、最後までAnttiがステージに現れることはなく、今年はAnttiに会えずじまい……。泣きたい。
 Yökatrilliが始まり、ミニアルバムのHuutokatrilli!の曲が演奏されるのを聴いていると、やっぱり少し踊りたくなる。それにしても、大勢の人が踊っているところを見るは圧巻。JPPも演奏しながらニコニコしていて、全然気負ってないところがいい。去年まではYökatrilliのステージで演奏していたTimo Myllykangas、ステージでは超カッコいいアコーディオンの演奏を聴かせてくれたHannu Kella、ほかにもミュージシャンとして参加していた人たちがフロアでダンスに興じている。ああ、なんか集大成。やがてHuutokatrilli!のが終わると、JPPはワルツを演奏。去年はこれで終わりだったのに、今年は2曲タンゴが演奏される。もうそれだけで満足。タンゴ、いい!

 時間はすでに1時30分を越している。フロアではMaunoとその子どもたちなのか生徒たちなのか若者たちとの演奏がまだ続いている。その音楽をしばらく聴いて会場を離れる。
 今日は本当に長い長い、そしてすごくたのしい一日だったのはいうまでもなく。Anttiに会えなかったのが本当に残念すぎ。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その6

13日 晴れ。きれいな空。いい天気。

 今朝は昨日とは違って、晴れの天気。雨が降ったせいか、なんだか空気がきれいになったような感じがする。少し涼しいけど、昼間はこれくらいでちょうどいいかも。
 朝食の時間、ちょうどHansがわたしの前に座っていたので、食事をしながらおしゃべり。Hansは熱心に話を聞いてくれて、そして答えをくれる。内容はすごく基本的なスウェーデンの伝統音楽についての話から、スウェーデンのポピュラーミュージックがなぜ世界中のマーケットで受け入れられているのか、みたいな話まで。とにかくNordik Treeの演奏を聴いて、Göteborg出身のHansが作る音楽と、Uppsala出身のVäsenが作る音楽とではまるで違っていたので、同じスウェーデンの中でも西と東では音楽が全然違うのに驚いたと話をすると、「外から見れば、言葉もダンスも音楽も同じように見えるかもしれないけど、スウェーデン人にしてみれば、まったく違うもので、その地域によって特徴が出てるんだ」という答えが返ってくる。これは日本でもままあることなので、確かにそうなんだろうな、と納得。
 しかし、Hansと話をして、自分がスウェーデンの伝統音楽といえば、聴いているのはほとんどがウップランド地方のものだということに気づく。HansはBäskのメンバーでもあるので、そちらのCDも聴いてみようっと。ちなみに、本人に「Gunnel Mauritzsonのバックバンドをやってるから、Rogerとはよく連絡取り合ってるよ」と言われて、Gunnelのバンドでフィドルとヴィオラ弾いてるのはHansだったのか!と知る……。おバカ。

 今日13日から最終日の15日まで、27th EBU Folk Festivalが始まる。これは毎回場所を変えて行われているものらしく、カウスティネンは1982年にEBU Folk Festivalが行われて以来、24年ぶり2回目だそうだ。フェスティヴァルエリア付近には、フィンランドのラジオ局YLEの車が去年よりもたくさん停まっている(ような気がする)。
 どこの国からどんなアーティストが出演していたのかは、下記にEBUサイト内とYLEサイト内にあるフェスティヴァル情報のリンクを。
27th EBU Folk Festival(英語)
YLE Radio 1(フィンランド語)

 そして、今日はKaustinen dayと銘打っていて、アリーナでは11日に見たNäppäritと9日に見たFritti ja Lauriもあるし、Tsuumi sound systemのライヴがCafe Mondoであるし、KlubiではFriggのライヴ、真夜中にはJPPの生演奏にあわせてフォークダンスを踊るYökatrilliもある。それだけで朝からウキウキ。
 オープニングセレモニーがアリーナで行われ、どんなことが行われるのかフィンランド語のほか英語でも説明があったのがありがたい。これから15日までは各国のフォークミュージシャンたちが、フェスティヴァルエリアのいたるところでコンサートをするので、いろんな音楽が聴けるのかと思うとすごくうれしい。
 14時からアリーナで行われるNäppäritを聴く。続けて、去年もカウスティネンに来ていた、コントラバス・バラライカ(っていう名前なのか知らないけど、すごく大きなバラライカってこと)が印象的だったMoscow Balalaika Quartetを少しだけ聴いてSoittosaliに移動。15時からここでArtoの別バンド、Ampron Prunniのコンサートがあり、このバンドはArto曰く、シンプルなフォークミュージックを演奏するバンド、なのだとか。Artoが演奏するとは知っていたけど、初めて見ました聴きました、Artoがニッケルハルパを演奏するのを……! 実際にこの目でみると、なんだかとても不思議な気持ち。編成はハーモニウム、フィドル、ニッケルハルパ、マンドリン、ユオヒッコなどなど。メンバーはArto Järvelä、Risto Hotakainen、Timo Valo。かわいらしい曲が多くて、聴いてて自然に顔がニコニコしてしまう(にやにや、ではない)。踊れないけど、踊りたくなるような音楽で幸せ。
 急いでLukion saliに移動して、Erika Lindgren & Cecilia Österholmのコンサートを聴く。彼女たちはフィドルとニッケルハルパのデュオで、二人ともウップランド出身(Erikaはウプサラ)。コンサートでは主に伝統音楽を演奏。それを聴いて、やっぱりスウェーデンの伝統音楽の肝はメロディだと実感。彼女たちの演奏もすごくよくって大満足。

 18時からCafe MondoでTsuumi sound systemのライヴがあるので、いい席で見るために早めに移動。ステージが正面に見える前のほうの席を確保。昨日のKaustinen-saliでのコンサートにはいなかったEsko Järveläが、ヴィオラでステージに乗ってるのがうれしい。
 ライヴが始まると、やっぱり鳥肌。音楽がダイナミックで、ぐいぐいと引き込まれる。Polkka efter Aを聴いてあまりのかっこよさにポーッとなってしまい、Virtaa(Flow)を聴いたあとには、完全にメロメロ。それにしてもアコーディオンのHannu Kellaはすごくうまい。情感たっぷりな演奏が本当にすばらしい。そしてTommi。ピアノ伴奏によるTommiのフィドルソロは、しっとりとした曲(記憶違いじゃなければ、たぶんKäytävä)で、じっくりとTommiのフィドルを堪能。弓が弦の上を緩急自在に動き回り、音もなめらかで柔らかく、耳に心地よくて心ひかれる。Tommiはめちゃくちゃうまいフィドラーなのだと確信。
 それにしても、Tsuumi sound systemはめちゃくちゃうまい若手をこれだけよく揃えられたもんだ。ライヴを見ることができて幸せ。また絶対見たい。

 Fritti ja Lauriを見るために、アリーナへ移動。先日見たときは、人がめちゃくちゃいっぱいいる、という感じがしなかったけど(もちろん、それでもすごく多かった)、今日は満杯。あふれてるし。大盛況な感じ。フィンランド語が少しでもわかれば、内容がもう少し理解できて楽しめるのになーと思いながら、やっぱりカンレテ奏者のところで全員が起立して歌を歌うことになったので、歌詞はもちろんわからないままなので、メロディを口ずさんでみる。歌いたい。
 チェコのバンド、Tandemについて何も知らないけど聴いてみたいと思っていたので、Lukion saliに移動。アリーナに人が集まっているせいか、人が少なめなように感じたのは気のせいか。彼らはモラヴィア地方出身の笛とフィドルの男女デュオで、北欧の音楽ばかりを聴いているので、すごくめずらしい音楽を聴いたような気分になる。聴いたことがあるようなチェコの音楽ではなかったので、チェコ国内でもやっぱり地域によって音楽がぜんぜん違うみたい。どこの国も同じだ。


長くなりすぎた。
つづく。

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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その5

12日 朝から雨。夕方ごろ晴れる。かなり肌寒い。

 8時ごろからバケツをひっくり返したような大雨が降りはじめ、このすごい音で目が覚める。
 朝食時には雨もやみつつあったので、少し安心。テーブルにつくと、あとからHansもやってきて、一緒にご飯を食べる。ほかにフィンランド人のご夫婦も一緒。ひとつのテーブルで、フィンランド語、スウェーデン語、英語、日本語が飛び交う。
 結局出かけるときまで雨はやまないまま。MAに日本でいう100円ショップで購入したような使い捨て雨合羽をもらい、それをかぶってフェスティヴァル・エリアへ。アリーナで行われていたMaailma Tanssii ja Soiという演目を見る。そのあと13時30分ごろにNordik TreeのコンサートがあるLukion saliへ移動。ロビーには結構な人がすでに会場を待っている。でも、今日は前の方に座れそうな予感。
 会場はやはり10分くらい前。前から3列目の席をゲット。Nordik Treeは、フィンランド人のArto Järvelä、Timo Alakotila、スウェーデン人のHans Kennemarkのトリオ。80年代にKaustinenのフェスティヴァルで出会って以来、セッションを楽しんだりしていたよう。そして、少し前にはスウェーデンでライヴをやったりしていたらしい。CDを作ってほしいという要望が強くなって作ったアルバムが、Nordik Tree。フィンランドやスウェーデンの伝統音楽が好きならば、このアルバムはぜひ聴くべき。
 では、セットリスト。

■Nordik Tree, Lukion Sali, Kaustinen folk music festival, 12.07.2006
Ornunga
Inka
Islossning
Hotschott
Könsti ton
All den Kärlek
Poppis
Jeppo & Övermark
Triple polonaise
Lyckönskan

 もうすでに彼らのアルバムを持ってる人は気づいた? このセットリスト、CDに収録されている曲順とまったく一緒。
 Nordik Treeの音楽は、トラッドのようでもあるし、ジャズのようでもあるし、クラシックのようでもある。古い音楽のようでもあるし、新しい音楽のようでもある。改めて、今まで聴いたことがなかった音楽だと思う。その肝となるのはやっぱりTimoのハーモニウム。絶妙なコード進行に詠嘆。

 ライヴ終了後、Artoと少しだけ話をし、次にライヴを控えているMaria Karaniemiがリハのためにホールに入っていくのを偶然見届けてから、KansansoitinmuseoへHyperboreaのライヴを聴きにいく。Ristiäislauluという曲がすごくよくてすっかりメロディを覚えてしまっていたので、これで歌詞がわかれば一緒に歌ったかも。メロディが凝っているわけでもないのに、本当にすてきな曲。
 再びアリーナ。会場横にあるKaustinen musiikkilukioが今年創立30周年の記念の年だったらしく、現在通っている学生たちによるコンサートが開かれていた。この学校ではMauno Järveläも教鞭をとっているらしく(学校に張ってあったポスターを見たとき、講師陣にMaunoの名前を発見)、学生と一緒にステージにあがり演奏をしているのを見る。
 またまたLukion saliへ戻り、今度はMaria Karaniemiのライヴを聴く。彼女の演奏で一番好きなのは、Timoと組んだときだな。saliを離れたとき、偶然Timoと会い、Nordik Treeの感想を伝える。話の流れから、彼がオペラを書き上げていることを知る。初演は8月だとか。ほかにも依頼されている仕事がたまっているようで、「これからちょうど(手に持っている)この楽譜をコピーしに行くところだったんだよ」というので、話を早めに切り上げて別れる。
 Cafe MondoにてJordのライヴを見る前、昨年同じお家にお世話になっていた男性と偶然会場で会い、「ヴァイオリンの天才少年の演奏を聴くことができるよ」と話を聴いていたので、Jordを聴きつつ、その奥(というか隣)にあるViinitupaでその少年の演奏を聴く。隣に座ったおじさんがフィンランド語でのMCを英語にわざわざ訳して(といっても、超大雑把に)教えてくれて、「まだ10歳だよ? すごいよな」「確かにすごいですよね」と会話をしながら演奏を楽しむ。とはいえ、まだまだ子ども。でも演奏はかなり立派。彼の演奏にフィンランド人はスタンディングオベーションで絶賛したそう。

 21時から始まるTsuumiのコンサートのために、Kaustinen-saliへ移動。すると長蛇の列。いい席に座れる可能性は低い。このKaustinen-saliでのコンサートは別途チケットを購入していなければならないんだけど、座席が指定されているわけではないので、結局は早い者勝ちの自由席。
 いざ中へ入ってみると、想像していたよりも大きなホールだったのに驚く。そして、余裕でちょうどいい場所に座る。昨日も思ったけど、村民が4500人ほどの村なのに、こんなに立派なホールがあり、それがちゃんと維持できているという事実に心底驚く。
 Tsuumiは1998年に結成された、ダンスチームと音楽チームから成るユニットで、ダンスチームは男女4人ずつ、音楽チームはTsuumi sound systemとして独立して活動もしている。最近ではMaunoがTsuumiの音楽にかかわっているようで、今日もしょっぱなはJärveläさんたちによる典型的なカウスティネンのトラッドの演奏にあわせて、まずTsuumiの女性陣、入れ替わって男性陣がダンス。いわゆる伝統的なダンスチューンばかりが演奏されているのに、踊りがカップルダンスではないというのがおもしろい。
 ステージ後方にスタンバイしていたTsuumi sound systemのメンバーによる演奏が始まると、全身鳥肌。なにこれ。CDで知っているTsuumiの音楽とぜんぜん違う。はるかにライヴ演奏がいい。思っていた以上にアンサンブルが緻密で、音楽がものすごく濃い。正直言って、ダンスよりもバンドばかりに目がいってしまい、ダンスどころじゃなくなってしまう。そして何より、人物が判断できないくらいの暗がりの中でも、それとわかるほどめちゃくちゃきれいな金髪が目立つフィドルのTommi Asplund、彼の演奏技術は相当高く、気づくとTommiばかりを見てしまい、彼が奏でる音を耳で追ってしまう。
 Tsuumiは(CDで知ってたけど)すごくかっこよく、ステージ栄えするバンドなのだと、強く思う。明日のTsuumi sound systemとしてのライヴは絶対絶対聴かなければ。

 昨日と同じSoittosali前にてNordik Treeの公開リハーサルが行われるのを知り移動。一日に二回もライヴを聴くことができて幸せ。結局2時間近く演奏を聴く。この2日間で6時間近くもNordik Treeの音楽を聴いたことになるのか。そりゃ贅沢以外のなにものでもない。
 24時からGjallarhornのライヴがあるので、Klubiに移動。低音部がディジェリドゥからコントラバスフルートに代わり、バンドの雰囲気も変わったような印象。コントラバスフルートの音も、ひどくバンドになじんでいる。もちろんコントラバスフルートは先日来日していたGöran Måsonで、日本で見たGöranとはかなり違う。なかなかかっこいい。
 会場を見渡してみると、Hansもいるし、Timoもいるし、Maria Karaniemiもいる。なんだか同じ場所にこんなにもミュージシャンがいるっていうのが、なんだか不思議な気分。
 家までの帰り道、Nordik Tree半分、Tsuumi半分が頭を占領。眠さと、それ以上の肌寒さもあってかひどく頭が冴えている。

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