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Kaustinen Folk Music Festival 2006 その3

10日 晴れてはいるけど、あやしい雲行き。

Lotta, Lastenteltta お世話になっているお家の娘さんLはダンスを続けていて、今日11時30分からLastentelttaでダンスを踊るというのでそれに間に合うように出かける。相変わらず子どもが民族衣装を着て踊るダンスはかわいい。でもLは少し踊っただけですぐ踊るのをやめてしまったのが残念。
 お昼ごはんを食べ、適当にぶらぶら歩き回ったあと、アリーナでオーストラリアのバンド、Wongawilli Bush Bandと、フィンランド人の二人組みPekka Pentikäinen & Perttu Paappanenのコンサートを見る。
 Wongawilli Bush Bandは、シドニーの南に位置するWongawilli出身で、オーストラリアのフォーク・ソングやダンス音楽を演奏するバンド。彼らの音楽は、カウスティネンで周りから聴こえてくる音楽とは全然違うのに、改めて驚く。そして、最初に目に入ったのが、バウロンを演奏する男の子。調べてみたら9歳。リズム感がすごいし、子どもながらにもテクニックもすばらしい。ただ、やっぱりまだ子どもなだけあって、目をぎゅっとつぶって激しいリズムを叩いていたのを見たとき、まだ筋力があまりないんだな、と思う。そりゃそうだ。でもうまい。
 Pekka PentikäinenとPerttu Paappanenのデュオは、基本的には二人ともアコーディオンを演奏するけど、Perttuはフィドルの持ち替えもする。この二人が演奏する音楽は(おそらく)フィンランドのいわゆる伝統音楽に近いものではないか、と。素朴で単純なメロディを奏でるアコーディオンとフィドルは耳に心地よく、ほんわかとした気持ちにさせられる。

 昨日Cafe Mondoで会った友人が、Kahvila Pelimannin Penkkiで歌うというので、行くと約束していたので移動。彼女が歌う歌もめちゃくちゃ素朴なフォーク・ソングで、聴いていてとても楽しい。伴奏はハーモニウムで、弾いていたのは、去年同じくカウスティネンで知り合ったSだった。久しぶりに見る彼女は全然変わってなくて、フィドルの演奏も聴かせてくれた。そういえば、彼女のフィドルソロを聴くのはこれが初めてだ。
 コンサートの途中、突然の夕立(っていうのかな?)。開け放していた窓から風と雨が吹き込んできて、窓を閉めても雨が激しく地面や屋根を叩きつける音が耳に届く。今日はやけに雲が多いし、ちょっとグレーっぽい色をしていると思っていたけど、あれはやっぱり雨雲だったのか。コンサートが終了するころには、雨も小降りになり、ほとんど止んでしまう。

Vissinki Cafe Mondoで、Vissinkiというバンドのライヴを見る。彼らはいわゆるプロとして活動しているバンドではなく、メンバーは全員別に職業を持っているというアマチュアバンド。でもあなどることなかれ。みんなすごくうまい。ちなみにTimo Alakotilaが、彼らのために曲を提供してたりする。音楽はほのぼのとしていて、落ち着いて聴いていることができる。

 実はこのあとはJPPのライヴが控えていたため、ライヴの途中で会場となるLukion Saliに移動。スタートは19時からで、その30分前に行ったのに、すでにたくさんの人が開場を待っている。出遅れた! もちろん座席指定なんてないし、開場するのはほとんどの場合開始予定時刻の5分前とかだから、席は取り合い。開場したのち座ったのは前から6列目。でも目の前には背の高い男性が座ったからか、座高で前が見えず、人の隙間から見るようなかっこう。なんとか座ることができて落ち着いてから周りを見渡すと、150人も入ればいっぱいのホールは、用意された客席はすべて埋まり、ステージ後ろを除く三方の壁は立ち見の人で埋まり、ホール扉が開けられてロビーにまで人が溢れているような状態。さらに最前列のさらに前に地べたに座る列ができている(これはミュージシャンと1mと離れてない)。
JPP, Lukion sali, 10.07.2006 メンバーがステージに登場すると、用意されていたマイクは一人の前に一本立っている。でも、どうやらそれはこのホール用ではなく、放送用に用意されたものらしく、メンバーの楽器にはマイクはついていない。PAで音を拡張するライヴも嫌いじゃないけど、やっぱり弦楽器はアコースティックが一番。JPPのライヴをアコースティックで聴けることに、音も出てないのに気持ちが高ぶる。
 セットリスは下記。

■JPP, Lukion Sali, Kaustinen folk music festival, 10.07.2006
Tomahuta
Pöhölö
Hämmennys
Murhe
Tango de Caro
Yli äyräiden
Sutela
Käyden
En till Sven
Stuffologie
Roudaneristyspolkka
-Rykälä
-Antin Mikko

JPP, encore, Lukion sali, 10.07.2006 最初の何曲かは、アンサンブルにばらつきがあり、聴いていてハラハラしてしまうが、だんだんアンサンブルの統率が取れはじめれば、何も心配することはない。コンサートも後半に差し掛かろうとするところになると、本領発揮。MaunoとArtoがバンドを引っ張っているということが、明らかにわかるようになり、それと同時にメンバー個々の音がものすごくクリアに聴こえはじめ、誰がどんな小技を使っているかが分かったり、どんなリズムを刻んでいるかがはっきりと聴き取れる。こうなってくるとバンドとして俄然おもしろい。バンドのセンスが感じられる。それを存分に楽しむことができ、大満足なライヴだった。アンコールは2曲。それでも客席はメンバーをステージに呼び戻す。時計を見てみれば、終了ギリギリの時間。「もうこれ以上は無理なんだよ」と言ってるかのような、首を切るしぐさを見せるArtoのゼスチャーに客席は笑い、納得。メンバーがステージからいなくなるまで拍手が続いた。来て良かった、そう思えるステージに、しばし放心状態。
 終演後、ロビーには小さなテーブルに広げられた物販に人だかりができ、しばらく近寄れない雰囲気だったので、ひとまず退散。少しして戻ってみると、ちょうどArtoがファンにサインをしているところだったので、それを見て持っているのにArtologyを購入してサインをもらうことに。Artoに声をかけると、驚いたように「Heeeeei!!」と挨拶してくれたので、こちらが驚いていると、わたしの名前を覚えていてくれたことにさらに驚く。去年、フェスティヴァル最終日に「Mr. Arto Järveläですよね?」と話しかけ、新アルバム(今思えば、それがArtologyだった)の発売を楽しみに待っていること、JPPのライヴを見たくて日本から来たということなどを、こちらが一方的に話をしているのをニコニコと聞いてくれて、もう次のステージに出ないといけないからと言わて名前を尋ねられたので、名前をつげて握手をした……ただそれだけだったのに。この間5分もないくらいの短い時間だったのに。Artoと話をしたあとホールの中をのぞくと撤収が始まっていた。Anttiがいるかと思ったけど、すでにベースは撤収したあと……。あぅ。

 適当にぶらぶらとエリア内外をさまよい(こういう書き方が多いんだけど、それはまさにその言葉どおりで、あてもなくウロウロしているのがめちゃくちゃ楽しいのですヨ)、Klubiへ行き、昼間アリーナで見たデュオPekka Pentikäinen & Perttu Paappanenのライヴを見る。アリーナより良かったかも。それにしても二人ともすごくうまいなあ。そのあとTimo Myllikangasのライヴがあるようだったので、再びLukion Saliへ。
 入り口へさしかかろうかというところで、なぜか日本語が聞こえてくる。気のせいかと思いつつ回りを見渡すと、アジア人の男性が一人立っていて「日本からですか?」ともう一度日本語で尋ねられ、その場所から10mは飛ぶかのごとく驚く。まさかこんなところで予期せず日本人に会うとは。お話を聞くと、その方(Kさん)はKihausのフェスティヴァルのあと、カウスティネンへやってきて、明日にはここを離れなければならないとのこと。お話をしていると、途中英語で「僕は台湾出身なんだけど……」と初日に見かけたアジア人男性が話しに加わる(彼はPressとしてこのフェスティヴァルに来ていた)。しばし三人で会話(といっても、ほとんど男性二人の会話を聞いていただけ)。

 10分か15分くらい話をしたあと台湾人の男性は次の取材先に行き、Kさんと話を続ける。KさんはKihausのフェスティヴァルに5年連続通っているらしく、カウスティネンは2004年にいらしたことがあるとのこと。フィンランドのフォーク・ミュージックに詳しく、お話を聞いていると、もっともっといろいろなお話を聞いてみたくなる方で、これからKさんが行くというライヴに同行させていただく。Klubiへ行きFreijaを20分ほど聴き、SpelaritIltalvaへ移動してSpelaritを聴く。どちらも初めてのバンドだったけど、とくにSpelaritは楽器編成に特徴があるわけでもないのに、なんだか耳に入ってくる音楽は新鮮に感じる。メンバーの年齢層もばらつきがあったような。いや、見た目じゃわからないけど。とにかくおもしろいバンドで、まず自分ひとりだけじゃ絶対気づかないバンドだったので、知ることができて幸運だった。
 この日は途中で大雨が降ったせいか、夜になると寒さ!が増し、着ていた服で寒さをしのげるようなものではなかったので、Spelaritのライヴ途中で帰ることに(ただでさえ人が超少なかったのに、本当にごめんなさい……>メンバーのみなさま)。残りの日にあるプログラムでKさんオススメのバンドを聞き、メールアドレスを交換してお別れしたのでした。

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